第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
膝をついたレイラへ意識が向いた瞬間、2人にも雷撃が降り注ぐ。魔導障壁によって多少威力は抑えられていても、その身に降るダメージは大きい
『っ、オルト!デュース!』
リドル『"首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)"!!!』
『ぅぁ"っ!!っ..くびわ..!』
オルト『しまった!レイラさんの首にあの首枷が!』
リドル『これでお前はただの無力な小動物。約束通り、お前から消してやる!!吹き飛べ、烈風よ!!!』
ブアアアアアッ!!!
『っ、ぁ、ぁぁぁぁっ!!!!』
大きな杖から生み出された激しい烈風が襲いかかる。その場に必死に踏み留まろうと足に力を入れるが、その勢いはまるでレイラの体を枯れ葉のように軽々と巻き上げ、そのまま薔薇の木で覆われた大きな生け垣へと吹き飛ばした
バキバキッ!!ガサガサッ!!
リドル『そこの生け垣の薔薇は、特に鋭い棘を持った蔓で覆われてるんだ。そのまま串刺しになって枯れ草のように惨めに朽ちてしまえ!
あっははは!!』
デュース『レイラっ!!!くっそ!』
オルト『はっ!デュースさん、油断しちゃだめだ!!』
リドル『さあ、次はお前たちの番だよ。はあっ!!』
オルト『ぐぎぎっ!!っぁぁ!!』
最も消し去りたい相手がいなくなったことで敵視がオルトたちへと代わり、再び猛攻の攻撃魔法が繰り出される
そんな中、吹き飛ばされたレイラは鋭い薔薇の棘が全身を刺してくる痛みに耐えながら、なんとか生け垣の中から転がるように這い出た
『っはぁ、はぁ、はぁっ..フーッ、フーッ..!』
グリム『ふなっ!レイラがリドルにふっ飛ばされて、あの草の中を突っ込んできたんだゾ!』
偶然か、吹き飛ばされた先は身を潜めていたエースたちのすぐ横の生け垣だった
戦いの激しさから興奮で獣のように息を荒らげながら、伏せていた上半身を起こしすぐにオルトたちの元へと向かおうとペンを握る
しかし、首の圧迫感と魔力が湧いてこないことに気づき視線を下げると、ハート型の魔封じの首輪が憎らしいほどに輝いていた