第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
今だけじゃない。出会ったときからいつも全力で戦ってた。そうじゃない時でもみんなを励ましたり、サポートしたり、俺たちが思いつかないアイデアで助けてくれたりしてくれてる
全然役立たずなんかじゃねぇよ
本当の役立たずなのはオレなんだ
くそっ!!オレにもみんなみたいな、力があれば..!
ジャックや、エペルや、セベクみたいな...
デュースやレイラみたいな、強い魔法が!
〔No side〕
シュワアアアア..!!
グリム『..エース。おめー、なんかキラキラ光ってるんだゾ..!』
エース『...え?』
苦悩に打ちひしがれ俯いていたエースの体を、魔力エネルギーが集まりだし、輪郭を淡い光で包みだした
ユウ『その光って、もしかして..(魔法の使えない僕でも分かる。これは..)』
エース『なんだよ、これ?ユウ、オレ..!
はっ、はぁっ..あ、あ、頭の中に、言葉がぐるぐるして..』
強制的に書き換えられていく魔力の形、頭に流れ込んでくるいくつもの規則性のない言葉。未知の感覚に恐怖すら覚え、汗が吹き出し呼吸が乱れていく
戸惑いに揺れる彼の様子に、ユウはあの目に見えるほど溢れている魔力の光に見覚えがあった
かつてオーバーブロットしたヴィルを止めるため、デュースが最後の一撃を決める前。嘆きの島で仲間のピンチにエペルが飛び出した時も、同じ現象が起きていた
一方、魔力の改変と飛び交う言葉の羅列は収まったものの、エースは自身に宿る力に一縷の希望を見い出した
しかし
エース『ううっ、う..!こ、この魔法が使えたら、あいつらを助けられるかも..っ!でも、でももし、一発で決めなかったら..失敗したら、全員...!』
『ゔあああぁぁぁっ!!!』
『『『!!』』』
エース『!レイラ!?』
一際大きな叫び声にハッとして顔を向けると、巨大な雷撃に体を撃ち抜かれるレイラの姿があった
魔法障壁はとうに打ち砕かれ、守るものもないままその身に受けた衝撃は凄まじく、ついにその足が地に崩れ落ちる
オルト『レイラさん!!ぐああああっ!!』
デュース『うぐっ!!』