第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
レイラたちの士気が上がったのもつかの間、数で有利とはいえ実力差が桁違いの相手に、1年生3人では戦況は押される一方
首輪を嵌めようとするたびにオルトが弾き、その間にレイラが足止めの魔法を放つ。しかし、激昂したリドルは怒りに呑まれながらも、冷静にこちらのスイッチな反応して攻撃を変えていった
特にレイラへの攻撃は苛烈さを増し、もはや魔法障壁だけでは半分以上も抑えることは出来なくなり、そのたびに激しいダメージが蓄積されていく
リドルの捕縛と注意を散漫にさせるための食虫植物も、その口に彼を捕らえることは叶わず根本まで焼かれて消滅してしまった
『っはぁ、はぁ..ぅぅ"っ!』
激しい戦いが繰り広げられている中、生け垣に身を隠して見ていたエースたちは、目の前の戦況の圧倒的不利な状況に焦り
エース『途中から防戦一方で、全然攻撃できてないじゃん!』
ユウ『あの子があんなに傷つきながら戦ってるのに、見てるしかできないなんて..!』
グリム『ふ、ふ、ふなぁ..!オレ様もう見てられねぇんだゾ!』
アワアワとレイラたちの叫びが聞こえるたびに目を覆うグリムの横で、エースは震える手で拳を作ると徐ろにその場から立ち上がった
エース『ユウ、グリム。ここから離れるぞ..!』
グリム『で、でも..あいつらまだ..!』
エース『まだ、なんだよ!?もうやられるまで時間の問題だろ!だったら少しでも早く遠くへ逃げて時間を稼いだ方がいい!』
グリム『でも!まだ負けてねえ!オレ様が加勢すりゃ..!』
エース『馬鹿!お前が助けに行ってどうなるんだよ!』
無謀にもリドルに挑もうと飛び出そうとするのを捕まえると、"だって!"と暴れる体を押さえつけ悔しさにギリッと奥歯を食いしばった
エース『気づけよ。足手まといだって言われたんだよ。お前も...オレもっ!!』