第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
オルト『よし。じゃあ改めて作戦前の確認をしようか。2人とも、開始地点に向かいながら話そうか』
デュース『おう!』
『ん。ねぇ、エース』
エース『え、な、なに?』
『もしもの時は...ユウとグリムをお願いね』
エース『....お、おう』
思いを託し小さく笑うと、リドルからの注意を逸らすため、またいざという時に確実に逃げ出せるように、ユウたちから離れたところから仕掛けに行くためデュースたちと共にその場を離れていく
それを心配そうに見送るユウとグリムの後ろで、残されたエースは1人顔を俯かせていた
エース『...........くそっ!現実ではトレイ先輩に助けられて、夢ではセベクに助けられて..今度はデュースとオルトと。それに...1番辛いはずのレイラにまで。オレは...!』
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オルト『それにしても、レイラさんの想いの強さはなんとなく分かっていたけど、強気なところや狡猾な一面もあったんだね』
『ん?』
オルト『だって..自分への激しい憎悪を理解してそれすらも利用しようとするなんて、なかなかできることじゃないよ』
デュース『そうだな。レイラは結構、他人が向けてくる気持ちとかを上手く使ってくるところがあると思う。
期末テストの事件の時も、あのやる気のなかったキングスカラー先輩を、手伝ってくれなきゃ二度と触らせないって脅して動かしてたもんな』
『...あれは"お願い"したの』
少しむくれた頬で軽く睨むと、苦笑いで"悪い"と言って撫でられた
事情は詳しく知らないものの、好意を逆手に取り相手に要求をのませる。愛らしい顔の裏に潜む狡猾さに、オルトはまた1つ目の前の兎に関心を抱いた
オルト『さて、それじゃあ歩きながら最終確認をしよう。まず陣形については、ユニーク魔法の対象外である僕を先頭に、少し後方にレイラさん。そしてその後方にデュースさんの順というほぼ一直線。
ただし、僕とレイラさんでスイッチしながら防御と攻撃を行うから、僕らの位置取りはほぼ横並びといってもいい』