第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
狼狽えるエースを他所にセベクの周りに魔力が集中していく。肌がピリッと痺れるような感覚に、レイラたちは彼が何をしようとしているのかがすぐに分かった
グリム『セベク!まさかおめー、あれを使う気か!?』
『で、でもそれだとその後動けなく..』
セベク『分かっている!だがそれしかあるまい!お前たち、感電したくなければ離れていろ!』
ユウ『3人とも、こっちに!』
唯一分かっていないエースの手を引き後方に下がると、セベクの纏う魔力が更に膨れ上がり、バチバチバチと弾ける電気が彼の体を纏っていく
セベク『"曇天を衝け、雷光よ!
迅雷一閃(リビング・ボルト)"!!!』
バリバリバリバリっ!!!!
『『『ぐわあああああああーーー!!!』』』
雷を纏ったセベクが激しい雷鳴を轟かせ闇デュースたちへと真っ直ぐに突っ込んでいく。雷撃に撃たれ闇の寮生たちは一瞬で消滅し、彼の突き進んだ後は真っ直ぐに道が開けていた
デュース?『がっ、か、か、体が痺れ..!』
セベク『い、い、今だ!行けっ、お前たち!や、奴らが痺れているうちに!はがっ!』
『セベク!』
セベク『ぼ、僕に構うな!..いいかレイラ。い、一度しか言わんぞ..はががっ!
お前はこの中で..いや、僕が知っている1年生の中で最も強い魔法士だ。リドル先輩に..はがっ!こ、心無い言葉を浴びせられ消沈する気持ちは分からんでもない。だが、今は少しでも早くリドル先輩を目醒めさせることに集中しろ!..あがっ!』
『セベク...』
セベク『行けっ!早く!』
ユニーク魔法の反動で体が痺れ動けない彼を置いていく。見捨てるとほぼ同じことに4人は躊躇するが、消えた先からまた復活しようとしている闇の姿に気づくと、グッと唇を噛み締め、エースはユウとレイラの手を引いて背を向け走り出した
エース『くそっ!!絶対礼とか言わねーからな!!行くぞユウ、グリム、レイラ!』
ユウ『ああもう、変にカッコつけんな馬鹿セベク!!』
『ーーーーっ!!』
すぐにでも助けに行きたい気持ちをぐっと堪え、4人は再び迷路の奥へと走り去って行った
セベク『エ、エース・トラッポラ、レイラ・フィリアス..!後は、任せたぞ..!』