第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
『..足音』
エース『!!!』
進行方向から迷宮の草を蹴って走る足音にピクリと耳が反応し、それは近くにいたエースの耳にも届いていた
すぐさまセベクたちの背を押しながら、曲がった先が行き止まりのルートへと連れて行った
セベク『おい、何をする。この先は袋小路..』
エース『しっ!!』
『誰か、くる..』
デュース『はぁ、はぁ..みんなどこに行ったんだ?』
息を乱しながら頬に伝う汗を拭い、ひとり現れたデュースはキョロキョロと辺りを見渡した。近くに他の面々の姿はなく、完全に"一人行動"で動いているようだった
『デュース?』
エース『(さっきレオナ先輩と一緒に別ルートに入っていったはず。レオナ先輩と迷路の中ではぐれた?それとも...)......』
突然ひとりで現れたデュースを半信半疑に見つめ少し考えたあと、エースは徐ろに立ち上がりそっと小声で4人を残して歩きだした
エース『...お前ら、ちょっとここで隠れててくんね?』
セベク『貴様、何をするつもりだ?』
エース『今は説明してる暇ない。いいからここにいて!わかった?』
ユウ『..分かったよ。気をつけて』
『エース。無理しちゃ、ダメだよ..ぅっ..』
エース『お前はそこで暫く大人しくしてちょっとでも体を休めてなって。ユウ、こいつらのこと頼む』
ユウ『はいよ』
全員が心配と困惑の表情で見上げる中、エースはひとりこっそりとデュースの元へと向かっていった
エース『よっ、デュース!お前もこっちルートに来てたのか』
デュース『はっ!..って、なんだエースか』
エース『やー、あいつら予想より逃げ足早いわ。さすが迷路のルートを知り尽してる"オレたち"なだけある』
デュース『は?何言ってんだお前..』
まるでさっきまでユウたちを追っていたような発言にポカンとした様子に、エースの口元に笑みが溢れる
エース『ははっ!いーっていーってそういうの。だってオレは...
お前と"一緒"なんだし』