第19章 *叛逆ビギニング*
サイドストリート-フェスティバル
その頃、ジャックに起こされたユウとグリムは、今日の作戦に気合いを入れながら、マジフトの会場があるサイドストリートへ来ていた
周りは多くの出店が建ち並び、食欲をそそられる匂いが立ち込めていた
グリム『ふぁ~~~!見てみろユウ!食い物の出店がいっぱいなんだゾ!チュロスに、フライドケーキ。あっ、スモークチキンもある!』
エース『ちぇ~、結局選手候補になれなかった...』
デュース『同じく...』
次々と目に飛び込んでくる美味しそうな料理に目を輝かせながら上機嫌に跳び跳ねるグリムに対し、選手候補になれなかったエース達の表情は落ち込んでいた
ユウ『まあ、また来年があるよ』
デュース『だが、僕達には今日大事な仕事がある。気を引き締めよう』
エース『そーね。オレらはそっちを頑張りますか。んで?さっきから気になってたんだけど、オレらの大事なお姫様は?』
デュース『ハーツラビュル寮に来る予定じゃなかったか?来る時にすれ違わなかったが...』
ユウ『レイラは自分が何をしたいかを見つけたみたいだから、そっちに行かせたんだ』
エース『...半端な気持ちで行かせたわけじゃねぇんだろ?』
ユウ『うん...』
エース『じゃ、信じるしかねぇな。そんで何かあった時は仕方ないから優しいオレ達が助けてやろうぜ』
デュース『代償込みで、な?』
三人は年相応の少年の笑みで笑い合うと、出店に気をとられているグリムを引っ張りながらマジフト会場へと向かっていった
サバナクロー寮・レオナの部屋
『美味しい...』
ラギー『そりゃあ王室御用達っすからね~』
レオナ『....』
チョコレートを頬張り小さく微笑むレイラに、二人は作戦前にも関わらず心に温かいものが灯る感覚を覚えた
ラギーの淹れたミルクティーを口にし、"これも美味しい"と褒めると、ラギーは照れ臭そうに笑いながら頬をかいた
『レオさん?食べたい?』
レオナ『いや、見てるだけで腹いっぱいだ。それで、本題に入るが...』
その瞬間、レイラの表情は少し曇りを見せつつも、レオナの足の間から抜け出すと、ちゃんと顔を見て会話できるように隣に腰掛けた