第19章 *叛逆ビギニング*
『なに?』
レオナ『あるものをお前に処理してもらう』
『危ないこと...?』
不安げな声にレオナは鼻で笑うと、頭を撫でてその頭の上に顎を乗せた
レオナ『んなことはさせねぇよ』
ラギー『持ってきたっすよ~』
部屋に戻ってきたラギーの手には両手に軽く収まるほどの箱が乗っていた。オシャレなデザインが施され、黒いリボンでとめられているその箱に、レイラは興味を引かれた
『あれなに?』
レオナ『開けてみろ』
ラギーがいそいそと運んできたサイドテーブル上に置かれた箱をまじまじと見つめながら、そっとリボンを解き箱を開けると、瞬間甘く香しい匂いが鼻孔を擽った
『これ、チョコレート?』
そこには小さなチョコレートの粒が幾つも並んでいた。形や装飾もバラバラだがどれも美味しそうな見た目をしていた
レオナ『好きか?』
『ん、好き。でもどうして?』
レオナ『...俺がドジを踏んだ』
『え?』
ラギー『レオナさん、実家から届いた手紙の返事に書くことない上に考えるのめんどくさいからって、お姫様の事書いちゃったんすよ。そしたら向こうはメチャメチャ興味持っちゃって』
レオナ『一緒に食えだのなんだのって、これが届いた。おかげで手紙の量が何故か増える始末だ』
はぁ..と至極面倒くさそうなため息をつき、若干げっそりとした面持ちなレオナにラギーは肩を震わせ声を押し殺して笑っていた
『なんか、ごめん』
ラギー『お姫様が謝ることじゃないっすよ。レオナさんが面倒くさがらなきゃ、』
レオナ『うるせぇ...とにかく、これはある意味お前宛の物ってことだ』
『いいの?』
レオナ『別に甘いもんに興味はねぇからな』
ラギー『これ食べながら話した方が少しは気が楽になるんじゃないかっていう、珍しいレオナさんの気遣、』
レオナ『テメェは黙ってろ!いいから茶でも淹れてこい』
ラギー『はいはい。お姫様、何が良いとかあるっすか?』
『ミルクティー...』
ラギー『りょーかいっす。てかチョコにミルクティーって、どんだけ甘党なんすか...』
少し引き気味のラギーは苦笑いしつつも、紅茶の準備に取りかかった