第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
リドル『ケイト..?』
トレイ?『そうだぞ、リドル。あいつはお前に嘘をついて、騙して操ろうとしているんだ。
だって、あれはお前が大嫌いな"黒兎"だろ?』
『『『『!!!!』』』』
黒兎。その言葉に宿りかけていた光が一気に失われていく。まだ黒兎への偏見が残っていた去年の晩夏
母親によって刷り込まれ続けた"悪意"を信じていた頃を引き戻され、困惑の瞳は激しい憎悪へと変わっていく
リドル『..そうだ。あいつは、あの"黒兎"なんだ。お母様が言っていた、世界に厄災を引き起こす存在....』
エース?『そうですよ寮長ぉ。あいつは黒兎の力でこの学園をめちゃくちゃにしようとした、ズルくて性格も悪くてホント迷惑なやつ。おまけに超しつこくって!なっ、デュース?』
デュース?『ああ。暫くベタベタ付き纏われてたけど、ローズハート寮長が徹底的に追い払ってくれて..そうじゃなかったら今頃、僕たちはあいつに騙されて道を踏み間違えるところだった。本当に、感謝してます!』
『っ...』
エース『はあ!?てめー、いい加減にしろよ!それこそオレがぜってー言わねぇことだろうが!』
デュース『俺らの顔でありえねーこと言いやがって...一発シメてやろうか。あ"ぁっ!?』
ケイト『ほんっと、解釈違いにも程があんでしょ。今の結構ムカッてきちゃったなぁ』
トレイ『ああ..こんなに腹が立ったのは久しぶりだ』
自分の姿でレイラを罵る闇たちに怒りが募り、デュースにたっては今にも殴り込みにいきそうな程だった
憤る彼らの横で、愛する人たちの姿で紡がれる罵倒に震える拳を握りながら、それでもリドルの覚醒を諦められないレイラは言葉を紡いでいく
『リドルさん。ねぇ思い出して。この夢は多分リドルさんにとっては幸せかもしれないけど、でも...全部偽物なんだよ。ツラいことから逃げたいのも、愛されたいのも、全部分かる。
でもね...』
リドル『...めろ』
『リドルさん?』
リドル『もうやめろ!!お前の話なんて聞きたくない!』