第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
オルト『うん..申し訳ないけど、一秒でも時間が惜しい。今はレイラさんの言う通り、リドル・ローズハートさんの探索に行こう』
まだ顔色の悪い様子に躊躇を見せるユウたちだったが、本人が早く行きたがっているのと今の状況も考え、後ろ髪を引かれる思いで薔薇の迷路へと進みだした
『(重い...苦しい...でも、我慢しないと、またみんなを心配させる)』
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慣れない場所ということもあって、入り慣れているハーツラビュル組を先頭に進んでいくと、いつもと違う雰囲気の迷路の様子に緊張感が走る
普段ならば、手入れの行き届いた美しい薔薇が咲き、芳しい香りと生き生きとした深緑の葉が爽やかに揺れているはずなのだが
『ボロボロ...お花も、お庭も』
ユウ『花も枝も折れてて葉っぱも散らかってる。地面もひび割れとか掘られた跡とかあるし、あんまり来たことないけどこれは酷いね』
ケイト『トレイくん。この薔薇の木のめちゃくちゃ具合って..』
トレイ『ああ。まるでリドルがオーバーブロットした直後みたいな...』
?『なんてことをしてくれたんだい!!』
『ぁぅっ..』
シルバー『!!この声は..!』
奥から聞こえた怒声に全員無言で目を合わせると、こっそりと近づき近くの生け垣に身を寄せ顔だけ覗かせる
そこには大勢の寮生が輪を作り、その中心には真っ赤な薔薇と座り込む3人の寮生を交互に睨みつけ、怒りに肩を震わせるリドルの姿があった
リドル『ハートの女王の法律・第372条.."月曜の朝に赤いカサのキノコが生えたら、庭の薔薇は白でなければならない!"
なのになぜ赤くしてしまったんだ!よくも完璧な庭を汚してくれたね!』
『『『申し訳ありません!!』』』
リドル『誰がやったんだい。お前か?』
?『ち、違います!こいつです!』
?『いやっ、僕じゃありません。あいつです!』
?『ひぃっ!俺じゃない、そいつだ!』
リドル『もうおやめ!全員の首をはねてやる!
"首をはねろ"!!』