第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
セベク『くっ..ここまで来て力尽きるなど、僕は、僕は絶対に許さんぞっ!』
シルバー『ーーーっ』
『『『.......』』』
原因がわからない。何もできない。どうしようもない歯痒さにシルバーもトレイもケイトも、いつもは澄ました顔のレオナでさえも、唇を噛み締め拳を握るしかできなかった
オルト『....』
ここに辿り着いてから原因不明のアクシデントによって、イデアやS.T.Y.Xたちと一切の通信も連絡も取れなくなったことで、オルトも完全にお手上げ状態だった
せめて兄とだけでも交信ができれば
そんな淡い願いに縋るしかない己に苛立ちを覚え、硬い自身のボディに拳を打ち付けた
『っ...ぅぅ..ぁ』
シルバー『!みんな、レイラの意識が..』
『『『!!』』』
『ん、ぅぅ..ここ、は?..むぎゃ!?』
失意の中、身じろぎながら朧気な意識を少しずつ浮上し重い瞼を開けると、涙目で見下ろすエーデュースやユウ、グリムの顔が一面に映りに抱きしめられ、突然の抱擁に潰れた声が漏れる
ユウ『レイラ!!ああ良かった。またあの時みたいに全然目を開けないから、すごく心配して..ああもう、とにかく起きてくれてよかったよぉ!』
レオナ『はぁ..余計な心配かけてんじゃねぇよ。寝坊助うさぎ』
ユウ『ぐすっ..そう言いながら、さっきまでずっと不安そうな顔で尻尾垂れ下げてたくせに』
レオナ『あ"?』
エース『とにかく目ぇ覚ましてくれてマジでよかったわ。体調とかどう?なんか変なところとかある?』
『..ん、大丈夫。ごめんね心配かけて。
えっと、リドルさんを探さないとだよね。すぐに立つから......うぐっ!!!』
『『『『レイラ!!??』』』』
立ち上がろうとした膝に力を入れた瞬間、ガクンと体が沈み込みその場で手をつく。
エース『は?ちょ、どうした!?』
『ぁ..は、ぁ"っ、ぐ...ぅっ!!はっ、はぁっ..ぁぁぁぁ..ゔ、ぐぅぅっ!!』
ドクン ドクン ドクン ドクン
速すぎる鼓動が耳の奥で鳴り響き、全身から血の気が引いていく感覚に息が乱れていく。あまりの苦しさに胸を押さえ、口からは抑えきれない苦悶に満ちた声が溢れ出す