第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
トレイ『そんなの、俺たちは..俺は、認められない!あいつは歪で棘だらけの圧政で、たくさんの人間を沢山傷つけた。
俺たちを、あいつ自身を..それを、なかったことになんかできるか!』
デュース『寮長は..俺らがブルッちまう場面でも、いつだって先頭で戦ってくれた!』
エース『怒りっぽくて、ガキっぽくて、融通きかない暴君だけど..でも!』
ケイト『トランプ兵を率いるのは..やっぱり最高に強くて尖った女王様でなきゃ!』
『私たちの大切な...厳しくて怒りっぽいけど、強くてカッコよくて優しい。そんなリドルさんが私たちは、大好きだから。
だから..ここにいるのが幸せでも、私たちはあの人を迎えに行って、ちゃんと起こす』
必ずリドルを取り戻す。強い意志を秘めた瞳をそれぞれ順に見つめると、チェーニャはその笑みを少しだけ柔らかいものに変えた
チェーニャ『そんなに女王様に会いたいなら、もっともっと深く夢の中に潜らにゃいかんわ。俺が案内してやろうか?いひひ...』
グリム『がぼぼぼっ!は、早くするんだゾ!』
チェーニャ『早く?そいじゃあ、近道を通らにゃね。ほいっ!』
ズ..ズズズズズズ...!!
トレイ『うわ、なんだ!?』
ユウ『下に、引っ張られる!うおあああ!?』
チェーニャの指の一振りで紅茶の海は激しい波を立ててうねり、今度は見えない何かに足を取られ勢いよく深淵へと引きずり込まれていく
『『『うわあああああーーー!!!』』』
『み、みんな..っ!う、がはっ..!』
チェーニャ『よぉ、黒兎のお姫様』
『ね、こさ..ぅっ、ごほっ!』
チェーニャ『ほんとならもうちょい2人きりで長ーく喋りたかったんだが、そうも言ってらんにゃあね。つくづくおみゃーさんとの時間は邪魔されてばっかりで困っちまう』
はぁ、とため息一つ吐くと、溺れかけているレイラの目の前に顔を近づけると、口の端をにんまりと歪めた
チェーニャ『ま、おみゃーさんらが上手くやればまた機会はいくらでもある。その時の楽しみにとっとくぜ。
そいじゃあまた..
リドルをよろしくにゃあ〜』
『!ま、って、猫さ...がぼっ.!』