第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
リドル母『逃がさないわ..リドルちゃんのお友達..!』
這いずるような声が家中から響き渡る。まるで怨霊のような恐ろしい声に呼応するように、紅茶の中から真っ黒な手が何本も深淵から伸びては、レイラたちの足を掴み引き込んでいこうとしていた
グリム『ぎゃあ!尻尾を掴まれた!いででで!やめろ、引っ張るんじゃねぇ!』
ユウ『わ"あ"っ!!紅茶の中から腕が伸びとる!!ちょ、このままじゃ引き込まれる..っ!』
ケイト『この声..リドルママ!?』
リドル母『大丈夫よリドルちゃん。何も心配いらないわ...ママが選んであげる..一番いいお友達を!』
トレイ『ぐっ、この腕、すごい力だ!紅茶の中に引っ張り込もうとしてくる!』
リドル母『紅茶はまだまだあるわ。何時間でも、何日でもここにいていいのよ..』
『ぅ、うぷ....ぷはっ!』
顔まで沈みかけ藻掻いていると、力強い腕に腰をしっかりと抱き寄せられ、視界の端に映った斬撃が深淵の腕を切り裂いた
セベク『しっかりしろ!..くそっ!払っても払っても何十本も腕が生えてくる!何なのだこれは!?』
エース『冗談きついって!パニックホラーかよ!』
レオナ『このままじゃ全員闇に引っ張り込まれる。構えろ、てめぇら!』
このままでは紅茶の海と闇に溺れるわけにいかず、すぐに武器を構えたシルバーたちは襲い来る腕を打ち払っていく。しつこく絡みつこうとする猛攻を払い除けて数分後、ようやく諦めたのか腕たちは深淵の奥へと姿を消した
トレイ『はぁ、はぁ..なんとか追い払えたか?』
ユウ『マジでビビった。この間やってたホラー映画並みに怖かったんだけど..』
イデア『とにかく、なんとかしてここから出ないと。ここまで来て、モンスターハウスに閉じ込められて全員ロストなんて絶対ごめんだ!』
チェーニャ『ふふふ〜ん♪ふんふふ〜ん♪』
『..猫さん?』
トレイ『この声は..チェーニャ!どこにいるんだ?』