第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
チェーニャによって微妙に盛られた言葉が真っ直ぐに突き刺さる。それは彼の中で押し留めていた怒りのボルテージの扉を一気にこじ開けることになり、リドルは顔を真っ赤に染めて勢いよく立ち上がった
リドル『ウギイイイイイ!!!!お前たちは全員クビだ!!!』
リドル母『まあ、大変、大変!なんてこと!リドルちゃんを怒らせるなんて!』
リドルの叫びを聞きつけ、キッチンからリドルの母親が慌てた声がしたかと思うと、足元からフワッと黒いモヤが立ち込めていく
オルト『この黒いモヤ..闇が近いよ!』
レオナ『おい、お前ら。この家から出るぞ』
リドル母『あなたたち。お茶の会でお茶を飲まずに帰るなんてだめよ!』
その瞬間、レオナは一番恐れていた予想が現実のものとなろうとする悍ましい雰囲気を誰よりも察知し、全身の毛を逆立て今までにないほど焦りを含んだ声を上げた
レオナ『全員ここ出ろ、早く!!』
『『逃すものか!!』』
リドル『ボクの家から出ようとするやつは、みんな首をはねてやる!!』
バタバタバタン!!!
それは本当に瞬きの間のことだった。全てのドアと窓が一斉に閉まり、柔らかい日差しが入り込む優美な部屋は、外を闇色が囲む暗い部屋へと一瞬で様変わりした。金や赤と上品な色をした壁紙はまるで鮮血のような赤一色に染まり、埋め尽くさんとばかりに飾られた写真はリドルだけが真っ黒に塗りつぶされたシルエットとなり、一人浮き上がっていた
『ひっ..』
ユウ『レイラ、こっちおいで。僕にしっかりと掴まって離れちゃだめだからね』
レオナ『くそっ..!遅かったか!』
オルト『まずい。僕たち、上下左右全ての方角から闇に取り囲まれてる!』
グリム『でも、どこにも闇の姿なんか見えねぇんだゾ!?どこにいるんだ!?』
イデア『.............家だ』
『『え?』』
イデア『人間を模したNPCじゃない。この家そのものが闇になったんだ!』