第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
幼馴染のあまりの変容に若干思考回路が停滞し始めていると、その名を聞いた瞬間、背を向けていたリドルとチェーニャが勢いよくこちらへと振り返った
チェーニャ『..トレイ?今トレイって言ったか?』
耳をピクリと震わせトレイの姿を目にした途端、2人の瞳はキラリと光り輝く。すると、リドルはよほど嬉しいのか小走りで駆けてくると、トレイの腕を抱きしめるように飛びついた
チェーニャ『おー!やっぱりおみゃーかい!地元に帰ってきてたんか』
リドル『トレイ、久しぶりだね。帰ってきてたならマジカメでメッセぐらいおくれよ!』
トレイ『あ、ああ。学校の休みを利用して戻って来てたんだ。
その..お前たち、今パトカーから降りてきたよな?爆音で路上ライブとか道路使用許可とか聞こえたけど..何かあったのか?』
その問いにリドルは先程のやり取りを思い出しムスッと顔をしかめながら、事の顛末を語りだした
この夢ではリドルはチェーニャと2人だけのバンドを組んでいるようで、先程までチェーニャと2人で駅前でサプライズライブをしていたところ、途中で補導をくらってそのままここまで送り届けられた
せっかく観客も盛り上がっていたのに中断させられ、終始リドルは不機嫌そうに足元の小石を蹴っ飛ばした
デュース『寮ちょ.ローズハートさんは、バンド活動してるんですか?』
リドル『うん!とは言っても、今は僕とチェーニャだけの2ピースバンドだけれど』
チェーニャ『しかもリドルがボーカルで俺がベースっていう、ヘンテコ編成』
リドル『しょうがないじゃないか。メンバーが加入しても音楽性の違いとか言って次々に脱退してしまうんだから!』
チェーニャ『おみゃーは毎日歌いたい曲が変わるからねぇ。パンク、ハードロック、アイドルポップにラップ。そらついていけないやつもおるわ』
リドル『だって毎日同じじゃつまらないじゃないか。ついてこられない方が悪いんだよ!』
チェーニャ『ま、行きたい道があっちとこっちで違うならしょうがないにゃ〜。
ところで、おみゃーらはみんなトレイの学校の友達かい?』