第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
?『ほら!さっさと車から降りるんだ!』
?『ちょっと!腕を強く引っ張らないでよ、おっさん!』
警官によって引きずり出されたのは、ハートやダイヤなどのワッペンだらけの真っ赤なジャンパーに大量の指輪とピアスという派手な装いの小柄な少年だった
青空に映える鮮やかな赤い髪を半分黒く染め、まるでヴィジュアル系のような濃いメイクを施した瞳で睨みつけると、自分を無理矢理引っ張る警官へと吠え立てる
?『おっさんとはなんだ!巡査と呼べ、巡査と!まったく..お前を補導するのはこれで何回目だ?いつも言ってるが、この街のルールを守れ!』
?『ルール、ルールってうるさいなぁ!路上で歌を歌うことの何が悪いのさ?観てたみんなも盛り上がってたし』
『ん?あれって..』
ユウ『え?は?』
ケイト『わっ、あの子カワイー!歌手かマジカメグラマーかな..』
『ケイさん、違うよ。あれ..リドルさんじゃ..』
ケイト『え?』
『『『『はああああああっ!?』』』』
静かな街に大絶叫が響き渡る。いつもルールやTPOに厳格で服装も真面目なものばかり。あのような派手でな装いなど絶対に着ないであろうリドルが、目の前で警官に反抗し続けるあの少年だとは到底信じられなかった
ケイト『ほ、ほんとだ。髪にメッシュ入っててアクセもバチバチだけど、あの顔と声はそうだよね..!?』
エース『ひ、人違いでしょ!寮長があんなパンクな格好してるわけないし』
デュース『それよりも、寮長が警察のお世話になるなんてありえません!』
トレイ『デ、デュースの言う通りだ。リドルに限ってそんな..』
『で、でも光る鳥さんが飛んでるんだけど..それって、そういうこと..だよね?
(あれ、リドルさん、だよね?でも、さっきから全然あの匂いが..しない)』
レイラの指し示す先には、少年の頭上で夢の主である証の光る鳥が飛び回っていた。今までもそうだが、夢を渡る際はオルトの導きにより、予め目的の人物の夢に座標を定め、選んで向かっていた。そして今回もリドルの夢へ座標を定めここに辿り着いた
つまりあの派手な少年は、紛れもなくリドル本人であった