第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
オルト『オリンポス社の提供しているマップと周辺情報の99.7%の一致を確認。
マップ情報によると、この道を300m直進の後左折すると、パティスリー・クローバーってお店があるんだけど..クローバーってトレイさんのファミリーネームだよね。何か関係があるのかな?』
トレイ『ああ、それは俺の両親がやってるケーキ屋だ』
オルト『へえ、そうなんだ!いいレビューが沢山ついてるね』
トレイの実家と聞いてスイーツを食べに行きたいと強請りだすエースに、夢の主であるリドルの捜索が先だと引き止めると、トレイは懐かしい街並みを見渡した
トレイ『ああ。この通りを俺の実家とは真逆の方向にまっすぐ進むと..少し高台になった場所に、リドルの実家がある』
ケイト『なら、リドルくんは実家にいる夢を見てるってこと?うひゃ〜...』
エース『オレたち、噂のエグめの教育ママとご対面するハメになるかもしれないのか』
デュース『き、緊張するな..』
話に聞く超絶モンスターペアレントであるリドルの母親に会うかもしれないという恐怖に、エースたちの顔が強張っていく
『ぅぅ...』
ユウ『そうだ、レイラ。ここからは帽子をかぶっておいたほうがいいかも』
エース『そうね。寮長も寮長のママも、元は黒兎に超ド偏見持ってたし、一応警戒しておいたほうがいいかも』
『でも、お月さまがくれた中に帽子は入ってない』
イデア『あー..残念ながらヒロイン氏のプログラムに帽子のデータは入ってないっすわ。今からでも作成するとなると..』
『..ううん。帽子はなくていい』
『『『え?』』』
デュース『なくていいって..でも、それだともしカシラやその母親が黒兎を..その、嫌いだったら..』
入学して早々のオーバーブロット事件。その際にリドルが見せた黒兎への差別、嫌悪。またあの時のような誹謗が飛んでくるかもしれない。更にリドルの母親に会うことになれば、リドルよりも酷い仕打ちが来るかもしれない
想像もしたくない光景に誰もが心配そうに見つめる中、レイラはそれでも正体を隠すことはしないと首を横に振った
『もしかしたら、私が黒兎だってことがリドルさんを起こすきっかけになるかもしれないでしょ?だったら、このままでいいよ』