第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
レオナ『あの猛スピードでの移動中、眼鏡みてぇな壊れやすいものを掴んで引き寄せる..1年にしちゃ、魔法のコントロールがいいな』
エース『オレ、昔から手先は器用な方なんすよね。それに..ハーツラビュルは薔薇の色変えやらテーブルセットやら、全部魔法でやらされますから。これくらい余裕、みたいな?』
グリム『薔薇の色変え?そんなのより、オメーが魔法のコントロールが上達した別の理由があるじゃねーか』
エース『えっ?』
デュース『同室の奴らとゲームや動画に熱中してて、つい消灯時間を過ぎちまった時..見回りの寮長の足音が聞こえた瞬間、エースが散らかってるものを一気に魔法で机やクローゼットにしまうんだよな』
ユウ『授業前もお菓子を魔法で片付けてたじゃん。ね?』
『ん。エースは先生たちとかに怒られそうな時とか、魔法すごく上手だよ』
グリム『机の上でポテチをパーティ開けしてても、ささっと畳んでこぼさねぇしな』
ニヤニヤと同クラに秘密を暴露され、途端にエースは自分たちの横にトレイたちがいることに焦りだした
エース『もー!先輩たちいるとこでバラすなよお前ら!だってグリムもデュースもノーコンだし。レイラはボンヤリしてて手をつけるの遅いし、一番器用で早いオレが片付けるのが一番スマートで、寮長や先生に怒られずに済むじゃん』
トレイ『あははっ!眼鏡を拾ってくれたのに免じて、今の話は聞かなかったことにしておくよ』
エース『とか言ってー。先輩たちだって消灯時間きっちり守ってるわけじゃないでしょ?』
ケイト『そんなことありませーん。オレたちはリドルくんに忠実なトランプ兵だもん♪ねー、トレイくん。
さーて、それじゃあ気を引き締めて..うちの女王様をお迎えにあがりますか』
デュース『押忍!まずは..ここ、どこなんでしょうね?』
改めて辺りを見渡してみるとそこは、豊かな自然に囲まれ、大きな家々が立ち並ぶのどかな街郊外のようだった
セベク『学園や麓の町ではないようだ。となると..リドル先輩にゆかりある土地なのではないか?』
トレイ『ん?眼鏡をかけてよく見てみたら..この街並、見覚えがあるぞ。あの路地、ガス灯..間違いない。
ここは薔薇の王国の首都、緋色の都だ!』