第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
緋色の都・市街地
オルト『霊素シグナル、トラッキング成功。指定された座標へ到着しました』
シルバー『..ふぅ。今回も全員無事に運べたようだな』
オルト『シルバーさん、お疲れ様。数値をスキャンしたところ、大きな構成霊素の乱れはないけど..大丈夫?疲労は溜まってない?』
シルバー『問題ない。逆に仲間が増えたことによって、夢の中での戦いなどに余裕が出ている。本当に、みんなには感謝しなくては。
そうだ。夢渡りが初めてだったトレイ先輩は大丈夫か?』
慣れない飛行に体調を崩していないかと目を向けると、夢の廻廊でぐるぐる振り回された衝撃で終始叫びっぱなしだったせいで顔つきが若干固くなっていて、その隣でケイトは腹を抱えて大爆笑していた
ケイト『あっははははは!オレ、トレイくんのあんな情けない叫び声初めて聞いた!1年の時、ハーツラビュルの迷路で人間よりでかい芋虫に遭遇した時もあんな声出さなかったのに〜!』
トレイ『そ、そんなに笑うことはないだろう!?俺はそもそも絶叫系の乗り物なんかも得意じゃないんだ』
ケイト『そ〜なんだ!いいこと聞いちゃったな〜!夢から醒めたら、みんなで遊園地遊びに行こうね♪』
トレイ『ケイト、揶揄うなよ。というか、俺の眼鏡はどこだ?まずいな、移動中の風で吹き飛んでいったのかも』
あまりにも振り回されたせいで、いつのまにか眼鏡を失ってしまい、ボヤケた視界に自然と目つきが鋭くなってしまっていた
デュースたちも飛んでいった瞬間は見ておらず、いつでも召喚出来るよう魔法をかけていたが、夢の廻廊という複雑な場所に落としてしまっては、探し出すのは困難だと、地味に面倒な事態となってしまった
スペアもなく、眼鏡がなくても見えるというイマジネーションも出来ない。このままではこれからの探索や戦闘に支障をきたすため、S.T.Y.Xにデータとして構成してもらおうか、と打開策を立てようとしたその時、
『ぁぅ、どうしよ。このままだとトレイさん、見えなくて大変....エース?』
エース『...ふっふっふっ..
トレイ先輩、これなーんだ?』