• テキストサイズ

【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*













最後にウサギは真っ黒なお城にいるドラゴンの王様に会いに行きました


真っ黒なお城にはいつも雷が鳴っていて、周りにはとても痛そうなトゲがたくさん生えていました


ウサギはトゲに刺されても、雷にうたれても、なんとかがんばってお城を目指しまし、大好きなドラゴンの王様を探してまた会うことができました



"またいっしょに暮らそう"



でもドラゴンの王様も嫌だと言って逃げてしまいました


ウサギはまた泣きました


おなかが空いて 空いて 空いて


もうこれ以上大きくなれないウサギは、そのまま大きな口でドラゴンの王様を食べました
























たくさんたくさん食べました


大好きなみんなを食べました


これでおなかはいっぱいになって、大好きなみんなとひとつになってウサギはとても幸せでした








けれど、すぐに気づきました


"これじゃあ誰も私を愛してくれない"





ウサギは本当の一人ぼっちになってしまいました





ウサギは泣きました たくさん泣きました


いくら泣いてもおなかは空かないのでずっと泣きました


そんなウサギに、王様や女王様が食べられてしまった国のみんなはとても怒りました




なんてひどいことをしたんだ


僕たちの王様を返せ


私たちの女王様を返せ



どこへ行ってもウサギは怒られ、仲間はずれにされ、どの国からも追い出されてしまいました


たくさん愛されたかったウサギは、世界中の嫌われ者になってしまったのです




暑い季節が過ぎて寒い季節がやってきましたが、どこにも居場所のないウサギはおうちに帰って一人で泣いていました


寒くて寂しいのに誰もウサギを温めてくれません





ある日の朝、小鳥たちが魔法の泉の話をしているのを聞きました





チュンチュン ここから山を7つ越えた遠い遠い国の森の奥に、願いをかなえてくれる泉があるんだって


チュチュン しってるよ。とてもきれいな泉で底まではっきり見えるんだよね


チュンチュン そうそう。そこに願いをこめて飛び込むと願いが叶うらしいよ


チュチュン 暖かくなったら行ってみよう


チュンチュン そうしよう







/ 2232ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp