第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*
オルト『さあ、みんな。次の夢に渡る準備はいい?シルバーさんの周りに集まって!』
ドクン..ドクン
『!......なんだろこの感じ』
ユウ『レイラ?どうしたの、こっちにおいで』
『!ごめん、今行く』
『(リドルさんの夢..なんだか、やな感じがする。胸がずっと変なドキドキのままだ..
なにかが..起こりそう)』
次の夢に渡る直前に不意に湧き上がってきた不安に心臓が嫌な高鳴りを見せる。服の上からギュッと掴むと、分かりやすいぐらいに音を立てる心臓に吐いた息が震えた
遅れて来たレイラも交えて、全員シルバーの周りに集まりそれぞれ掴まっていくと、更に人数が増えたことで密集の圧も半端なくなり、レオナは少しげっそりとしながら渋々中へと入る
レオナ『はぁ..またこの満員小型バスに押し込められる時間が来たか』
『..ん?レオさん?』
レオナ『お前の近くが1番隙間が空いててまだマシだ。悪いが、次の夢に辿り着くまでここにいさせてもらうぞ』
『ん、いいよ。んふふ、レオさんにギュってされてるとすごく安心する。それにあったかいね』
寄り添ったことで肌に伝わる高めの体温に笑みが溢れると、頭の天辺でピコピコ動く兎耳に軽い口づけが落ちる
レオナ『はっ。緊張感のない呑気なお言葉をどうも。もし俺が振り落とされたら、是非ともお優しい心で助けていただけるとありがたい』
『絶対助けるよ』
ユウ『イチャイチャするなそこぉ(怒)』
トレイ『な、なあシルバー。本当にこんな大人数でお前にぶら下がって大丈夫なのか?』
シルバー『ああ、問題ない。しっかり掴まっていてくれ。
"いつか会った人に、いずれ会う人に..
同じ夢を見よう(ミート・イン・ア・ドリーム)"!』