第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*
その後、いつものごとくオルトから電子の招待状を渡されると、来る最終決戦に改めて身が引き締まる思いで受け取りしっかりとしまいこんだ
そして、リドルの夢に向かう前に着替える必要があるというイデアの指摘に、たしかにいつまでもコック服ではいられないとすぐに寮服へと着替える。すると、タイミングよくダミーデータも届いたようで、目の前にコック姿の自分が映し出されると、改めて見るあまり見ない服装にまじまじと見つめた
トレイ『おお..これは、なんというか..改めて見るとすごく派手な厨房着だな』
ケイト『そう?赤と黒のカラーリングがハートの女王の料理番って感じがして、超かっこいいよ』
『ん。カッコいいし、すごくおしゃれさん。ケイさんのもカッコよかったよ』
ケイト『ありがと〜♪レイラちゃんのお墨付きももらったし、後でリドルにも見せてあげようっと。ってわけで、記念に1枚!』
パシャリと夢のトレイを撮影すると、またハッシュタグをつけ誰も見れないマジカメへとアップした
トレイ『リドルの夢か。どんなことになっているんだろう。とりあえず..念のために、イチゴタルトを1ホール手土産に持っていこう』
ユウ『え、それを夢渡りに持ってくんですか?途中で崩れそうな気がして怖いんですけど..』
ちょうど作っておいた無傷のタルトを手に取り、いそいそと箱に詰めていく様子に、セベクは一抹の不安を覚えこそりと問いかける
セベク『..おい、シルバー。あれは止めなくていいのか?夢渡りにデコレーションケーキが耐えられるとは思えんが..』
シルバー『多少形が崩れていても味は変わらないと親父殿も言っていた。大切なのは気持ちだと思う。きっとリドルも喜ぶに違いない』