第106章 *熱中ベイキング(トレイの夢)*
ケイト『へぇ〜!グリちゃん、やるじゃん!』
ユウ『うん、ほんとに格好良かったよ。あの時はありがとね、親分』
グリム『へ、へへーん!オレ様はオンボロ寮の親分だからな。ユウの面倒を見てやるのは当然なんだゾ。
それに、オレ様とユウは2人で1人の生徒。もし夢の中にユウを置いてきちまったら..オレ様1人じゃ、学園にいられなくなっちまうだろ。だから頑張ったんだ。そんだけなんだゾ!!』
『そうだったんだ。ユウのこと守ってくれてありがと。でも、2人で無事だったのが一番嬉しい』
グリム『むぎゅう..』
自分の知らない間に起こっていた戦いに、感謝と安堵の想いを込めてグリムを抱き寄せると、"苦しい"と少し抵抗を見せるも、柔らかくいい匂いのする体にすぐにふにゃふにゃと身を預けた
デュース『ははっ!そんなことがあったら、いつもは会った瞬間にやかましいくらいに自慢してきそうなのに』
グリム『その1回だけじゃなく、他にもいーーーっぱい活躍したからだっ。オレ様の武勇伝は、1週間あっても語りきれねえんだゾ』
エース『本当にぃ?とんでもないドジとかもやらかしたんじゃねーの?』
グリム『そんなんしてねぇ!』
デュース『なら、後でユウとレイラに話を聞いてみるか』
ユウ『じゃあ、そのためには夢から醒めないとね』
『私も、2人とお話したいこといっぱいあるの』
エース『そーね。さっさと現実に戻らないと、グリムがどんどん話を忘れてっちゃいそうだし』
デュース『そういえば..さっきのシルバー先輩やユウたちの話を聞いてると、レイラは僕たちと同じで後から加わったのか?』
ふと気になったことを口にすると、エースも同じだったようで興味深そうに目線を送る。しかし、2人が本当に気になっていたのは、後から加わったことではなく、それまでレイラがどんな夢を見ていたのかだった
『ぁ..ん』
エース『ユウたちはレイラの夢に行ったんでしょ?どんなだったか教えてよ』
デュース『僕たちの夢はあんなだったが、レイラが見る夢は結構まともそうだと思うんだが..』