第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
シルバー『レイラ。ケイト先輩のああいう新たな一面は怖くないか?』
『ん、怖くないよ。
レオさんの夢の時に私が言ってたこと気にしてくれたんだ。ありがと』
シルバー『お前には、この旅で何度も迷惑をかけてしまっている上に、さっきもセベクの件で悲しませてしまった。少しでも、お前の負担を少なくしたいんだ。
あの時、守らせてほしいと誓ったからな』
『!!...ん。嬉しい..すごく嬉しい。あ、でも絶対に無理しないでね。シルバーさんたちの迷惑にはなりたくないから。私も、自分で出来ることはちゃんとしたい』
シルバー『ああ。強いな、レイラは』
その存在の眩しさに目を細め、目の前で微笑む顔に胸の奥がほんのりと温かみを帯びる。しかしあることを思い出し、端正な顔が少しだけ陰りを見せた
『どしたの?』
シルバー『....先程、エースに連れて行かれた時...その、なにを..』
『?』
珍しく歯切れの悪い様子で瞳を揺らすシルバーに首を傾げると、おずおずと手が頬へと伸ばされる
もうすぐ触れようとしたその時
レオナ『てめぇら、いつまでも遊んでるんじゃねぇ。さっさと次の夢に出発すんぞ』
シルバー『!!』
いつまでも次の夢渡りへ向かわない状況にしびれを切らしたレオナの一声に、シルバーはハッとして触れかけていた手を引っ込めた
シルバー『あ、ああ..そうだな。みんな、俺の周りに集まってくれ』
気を取り直して全員を呼び寄せると、各々シルバーの腕や肩を掴んでいく。しかし人数が増えたせいで気分は押しくら饅頭だった
エース『ぐえっ!え、こんな満員電車みたいな感じで次に行くの?マジ?』
セベク『ふん。痛い目を見たくないなら、ペチャクチャと煩いその口を閉じておくんだな!』
オルト『セベクさんが"エースくん、ちゃんと口を閉じてないと危ないよ。気をつけてね!"だって』
セベク『なっ!?僕はそんなことは言っていない!!!』
デュース『セベク!狭いんだから暴れるなよ!』