第17章 *証言ポートレート*
エース『くっそ~!腹立つ~!』
デュース『ローズハート寮長に首をはねられる』
ユウ『今、"次も"って言ってた。まだ何かする気なんじゃ...』
ジャック『てめぇら、まだ懲りずに犯人探しやってんのか』
エース『んだよ、見てたんなら手伝えよな。おたくんとこの先輩、超悪いヤツなんですけど?』
先程までのやり取りを見ていたのか、近くの柱の影から姿を現したジャックにエースが不機嫌な声で文句を言うと、彼は静かに口を開いた
ジャック『お前ら、何故そんなに他人のために必死になれる?』
デュース『他人のため?』
ジャック『怪我したダチの仇討とうって気持ちは分かるが...』
エース『は、何言ってんの?だーれが他人のためにやるかっつーの』
当たり前かのようにジャックの言葉を否定するエースの悪いことを考えている意地悪な笑みに、思わずジャックは気の抜けた声で"は?"と言うしかなかった。
デュース『僕達はこの事件の犯人を捕まえて手柄を立てたいだけだ』
エース『そーそー。あわよくばマジカルシフト大会の選手枠に入りたいし。で、世界中にイイとこ見せたい』
グリム『オレ様だって、絶対アイツを捕まえてテレビに映ってやるんだゾ!』
エース『トレイ先輩には悪いけど、出番はイタダキ、みたいな?』
ジャック『ハッ!他人のために動くようなヤツは信用ならねぇと思っていたが...お前ら、思ってたより酷ぇ奴らだな』
エース達三人の素直なカミングアウトに、今まで黙っていたジャックは吐き捨てるように言うが、その表情は僅かな笑みを浮かべている
エース『なんだよ、オレらよりお前の方がひでーじゃん。その様子じゃ知ってたんだろ?アイツが事件の犯人だって』
グリム『あっ!そうか。同じ寮だから"自分は狙われない"って言ってたのか?』
ジャック『...オイ、テメェら。俺と勝負しろ。男が腹割って話すんなら、まずは拳からだろ。テメェらが口だけの輩じゃないと俺に証明できたら、俺の知ってる話を教えてやってもいい』
どこかの少年漫画のような展開にエースはげんなりしたが、デュースは昔の名残が疼いたのかやる気全開で挑もうとしていた
ユウ『よし拳で語り合うか!でもなんで毎度こうなるかな...』
『.......』