第105章 *足跡ビーチ(エースの夢)*
南国リゾート・浜辺
オルト『霊素シグナル、トラッキング成功。指定された座標へ到着しました。
...ってことで、みんな具合は大丈夫?特に初・夢渡りのケイト・ダイヤモンドさん』
ケイト『オレ?移動中の景色がマジでエモすぎて、ずっと動画回してたよ〜。迫力あるスカイダイビングの動画みたい。マジカメにアップしたらバズり間違いなしだと思わない?
ま、投稿しても今はオレしか見られないんだけどね〜』
オルト『ケイトさん、撮影までしてたの?酔ってないっていうのは嘘じゃないみたいだね』
ケイト『ぜーんぜん余裕♪あ、でもこの動画..風の音とグリちゃんの悲鳴が大音量すぎるから、アップするときは別の音楽で上書きしなきゃ..
..ん?え..待って?』
『どしたの?』
ケイト『よく見たらここの景色も、めーっちゃ綺麗じゃん!?透き通った青い海、サラサラの白い砂浜!映え〜!』
目の前に広がる美しいマリンブルーと太陽を反射して輝く砂浜に目が輝き、夢中でパシャパシャとシャッターを切っていく
一方レイラたちはそんな彼を横目で見ながら、南国特有の暑い日差しと乾いた潮風、ムワッとした湿気にじわりと汗を滲ませた
『むぅ..暑い』
セベク『この暑さ、まるでラギー先輩やレオナ先輩の夢の中のようだ。エース・トラッポラは夕焼けの草原出身か?』
レオナ『いや。砂の質や湿気、植物の種類を見るに..ここは俺が知る夕焼けの草原から程遠い。別の国である可能性が高いと思うが』
デュース『エースは僕と同じで、薔薇の王国出身のはずだ。南側にある僕の故郷より、かなり首都に近いところだって言ってたような..』
レオナ『薔薇の王国の首都は内陸部にあり、大きな運河はあるが海には面していない。目の前にあるのは巨大な湖か川の可能性も考えたが..この潮の匂いは、間違いなく海だな』