第17章 *証言ポートレート*
ケイト『おはおはー、ユウちゃんレイラちゃん』
陽気な声と共にユウ達の向かう先から歩いてきたケイトとリドル。するとリドルは、レイラを見ると眉をひそめ目の前まで近づくと胸元のタイを手に取った
リドル『レイラ、少しタイが曲がっているよ。ルールの乱れは衣服の乱れからだ』
そう言いながらタイを解き、しっかりと長さを整え始めた
ユウ『すいません、結んだのは僕です』
リドル『監督生がそれでは寮生に示しがつかない。と言ってもキミの寮生は一人と一匹だけだけど。...うん、これでよし』
器用にタイを結び直したリドルは最後にキュッと結び目をしっかり縛ると、満足した顔で頷いた。レイラの胸元には先程までネクタイ型だったタイがリドルと同じリボン型に結ばれていた
『...ありがと』
リドル『礼には及ばないよ』
『あのねリドルさん』
リドル『なんだい?』
『その...顔』
結んでいる最中も結び終わった今も、リドルとレイラの距離は非常に近く、もう少し顔を近づければキスしてしまいそうな程だった
指摘されたリドルは一気に顔を真っ赤に染め、慌てて距離を取るように飛び退いた
リドル『っ///す、すまない...///!』
『やじゃないよ?リドルさんのキレイな眼見れて嬉しかったし、ちょっとビックリしただけ』
リドル『そ、そうか...///』
ケイト『にしてもリドルくん、サラッと自分と同じ結び方にしちゃってるね♪』
リドル『こ、これは...!別に他意がある訳じゃなくて、彼女は女の子なんだからこっちの方が良いと思っただけで...元の型の方が良いかい?』
少し寂しげに見つめるリドルに、レイラはそっと首を横に振った
『ううん、どっちの型も好き。でもリドルさんとお揃いなの嬉しいから、そのままにしたい』
リドル『っ///』
ケイト『あらら~リドルくん超嬉しそうじゃん♪』
からかうような口振りに、リドルは思わず"ケイト!"と声を荒げて睨み付ける
グリム『(リドルのやつもレイラに惚れ始めたんだゾ...)にしても、エースやデュースは一緒じゃねーのか?』
リドル『ゴホン...彼らはハートの女王の法律第249条にのっとって、ピンクの服でフラミンゴの餌やり当番中だ』