第104章 *法廷アライバル(ケイトの夢)*
ハーツラビュル寮・寮門前
オルト『霊素シグナル、トラッキング成功。指定された座標へ到着しました』
シルバー『オルト、今回も誘導感謝する。ここは..ハーツラビュルか?』
晴れ渡る空に映える目の前にそびえ立った赤い城。ハートやダイヤなど様々なスートが施された装飾。深い緑が生い茂る広大な庭から漂う薔薇の芳醇な香り
そこは普段リドルが治めているハーツラビュルの寮門前。見慣れない鮮やかな光景にキョロキョロと見渡しているシルバーたちの傍らで、レオナはズモモと黒いオーラをまとい足元を睨みつけた
レオナ『おい、毛玉ぁ!てめぇ、なんで俺のネックレスにしがみつきやがったんだ。首が締まって窒息するところだっただろうが!』
グリム『にゃにおぅ?オレ様はしがみついたわけじゃねぇ!レオナがジャラジャラつけてるやつと髪の毛が、オレ様の顔にビシビシ当たって痛えから押さえてただけなんだゾ』
セベク『確かに、強風に煽られた髪の毛は視界を遮って邪魔だ。次の移動の際は縛っておくがいい!』
レオナ『は。どうして俺が?そもそも、こんなすし詰め状態での移動方法自体に問題があるだろう。
カイワレ大根、何とかしろよ。現場の俺たちに働かせておいて、てめぇは自室で悠々自適に作業してやがんだろ』
イデア『は、は、はぁ〜〜〜?
拙者はマレウス氏の目を掻い潜りながら、S.T.Y.X本部と連携を取り合って、君たちをサポートしつつ、さらにチートツール開発まで並行作業してるんだが?現状誰より忙しいのは..僕!僕、僕、僕〜!なんですわ。
い、移動時間なんてほんの一瞬なんだから、利便性の向上を求めてる場合じゃないでしょ。レオナ氏、年長者の自覚ある?緊急事態中に我儘第ニ王子ムーブは控えてもろて..』
レオナ『てめぇ、モニター越しだと随分とよく舌が回るな。次に顔を合わせた時が楽しみじゃねぇか。なあ?』
『ま、待ってレオさん、お月さま』
見えない火花を散らし、睨み合う一触即発の両者の間に割って入ると、宥めるようにレオナの手を両手で包むように握る