第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
『『『!!!』』』
シルバー『それは..レイラたち黒兎を題材にした本、ということか?』
『ん。すごく昔の本なんだけど、売ってたのはほんの少しで、すぐに売るのだめになっちゃったの』
オルト『ちょっと待ってね』
ピピピと電子音を鳴らし搭載されている検索機能でその絵本を探し始める。しかし、いくら探してもその名前の本は1件もヒットしなかった
オルト『う〜ん、残念。どこにも見つからないや。どうも、作られてたことも発売されていたことも丸ごと削除されちゃってるみたい』
セベク『どういうことだ?』
『あのね、おばあちゃんが言ってたの。これは多分最後の1冊なんだって。
黒兎が怖いって思った人たちが、本を売るの止めさせちゃったんじゃないかって..』
シルバー『黒兎に畏れや恨みを持っている者たちの反感を買わないように..そして信仰するものが増えないようにという意味で出版を停止させたのかもしれないな.....酷い話だ』
セベク『ああ、まったくだ』
デュース『それで、その本はどんな話なんだ?』
『一人ぼっちの黒いウサギが、世界を旅しながら色んな人とか動物さんとかと会って、仲良くなっていくお話。
途中でケンカしたり、怖いお化けとか出てきたりして読んでてすごくドキドキするの。でも黒いウサギは、大好きなみんなのために頑張って戦うの。山みたいにおっきなお化けと戦う時のウサギがすごくカッコよくって、ちっちゃいのに一人でそのお化けを倒しちゃうんだよ』
シルバー『そうか。そのウサギはとても勇敢で強い、お前のようなウサギなんだな』
デュース『一人で山みたいにでっかい相手に立ち向かって倒しちまうなんて..すごいな』
よほど好きなのか興奮気味に語るレイラを見守るユウたちの口元に優しい笑みがこぼれる
ユウ『それで、黒いウサギはどうなるの?』
『えとね、みんなと.........
ごめん、内緒』