第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
デュース『..レイラ?』
『エースはデュースにそんな優しいこと言わない。いつもいじわるな事言われて二人でわちゃわちゃしてたでしょ?』
グリム『そうだそうだ!思い出すんだぞ!エースのムカつくところを!』
デュース『エースの..ムカつく、ところ?そんなの...あ、あがっ!!』
ズキリと痛んだ頭にエースとの思い出が断片的に蘇る
入学して間もない頃、ドワーフ鉱山へ魔法石を採りに行った時
居残りを命じられ、要領の悪さをからかわれた時
談話室の勉強会で基礎問題すら解けなかった時
陸上部の代表として表彰された事を寝ていて聞いていなかったと言われた時
VDC合宿で彼と激しく揉めた時
思い出すたびに強くなる頭痛と同時に腹の底から思い出の中のエースへ怒りが込み上げ、ピーコックグリーンの瞳に炎が揺らめく
デュース『うぐぅううぅうう〜〜っ!!なんだ、この記憶は..知らないのに、全部知ってる。それに、めちゃくちゃ腹が立つ!はぁ、はぁ..!
エース、てめぇは..う、ううっ!』
エース?『デュース、しっかりしろって!お前がそんなじゃ、カシラにメンツ立たないだろ。
オレが背中を預けられるのは、お前だけなんだぜ。相棒!
待ってろ。今トレイ先輩に連絡して、すぐに援軍に来てもらうから!』
デュース『..がう。違う、全部..!』
闇エースから甘い言葉をかけられるたびに記憶の奥底から、現実のエースから全く正反対なことを言われていたことを思い出し、頭を振ってその言葉を否定した
痛みで歪む視界にはもう目の前のエースが黒に塗れた偽物として映っていて、次第に今ここにいる自分すらも本来の自分ではないと感じてきていた
エース?『デュース?違うって何がだよ』
デュース『俺も違うし、お前も違う!俺は、俺たちは、もっと..あぁっ!
うわああああああああ!!!!』