第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
任されたことに嬉しそうにしながらデュースの元に駆け込むと、てやっ!と持ち前の身軽さで彼の手に持っていたハートの女王の法律書を奪い取った
デュース『あっ、グリムてめぇ!カシラからもらった法律書を返しやがれ!』
グリム『オレ様、知ってるんだゾ。オメーがハートの女王の法律を、100個も覚えてねーこと!』
そう言いながらパラパラとページを捲っていくと、最初こそ文字が書かれていたが、中盤から途切れていたり丸々白紙なものが殆だった
レオナ『はっ、こいつはいいな!ページが歯抜けだらけ..半分以上が白紙だ。この法律書なら、わけのわからないルールが8分の1に減るぜ』
デュース『そんな、嘘だ..っ。その本には810条までぎっしり法律が載っているはず..!
うぐっ!!あ、頭が、割れる..っ!』
目の前で見せつけられた齟齬に更なる痛みが襲う。あともう一押し..そう思った矢先、苦しみに悶えるデュースの肩を掴む者がいた
エース?『おい、デュース!しっかりしろよ!自習室で勉強するために本気を出す。どう考えても優等生の行動じゃん?』
優しい口調で語りかけるエースの姿がどろりと黒く染まっていく。足元からも黒いモヤが溢れ出し、あっという間に周りは闇に囲まれていった
『!この感じ..』
セベク『闇め!とうとう本性を表したな!』
エース?『拳で他寮生に勝てば勝つほど、有利に勉強が進められる。何もおかしくねーって』
デュース『ああ..いや、待て。優等生は、喧嘩なんかしない...ぐあっ!』
エース?『何言ってんの。ここは実力主義で弱肉強食のナイトレイブンカレッジだぜ。この学園じゃ、1番強いやつが優秀で、正しい..そーだろ?』
デュース『そ..そう、だな。お前の、言う通り..』
『違うよ』