第103章 *抗争ファクション(デュースの夢)*
バコンッ!!
デュース『うわぁっ!?』
ドン!ガタガタっ!!
懐に飛び込んできたセベクは持っていた本を振りかざし、デュースの頭へと叩きつけた。目の前に星が散らつき、あまりの勢いにそのままデュースは後ろの本棚へとよろめき激突した
セベク『本は読むものであって、打撃に使うものではないっ!!』
グリム『そう言うオメーも本でデュースを殴ってるんだゾ..』
セベク『ふん!これは本と呼べる代物ではない。ただ表紙がついているだけの、紙の束だ!』
デュース『ほ、本の中身が白紙?なんで..!?』
セベク『なんで?ではない。貴様が中身を読んでいないからだろう。たわけ!優等生を名乗るのならば、本を読み込み、そこから得た知識で殴り合え。本そのもので殴り合うなど、言語道断!貴様のどこが優等生だ。自分の蛮行を恥じろ、人間っ!』
デュース『俺の..どこが優等生かって..
うっ!!』
その単語を口にした瞬間、ぐらりと目の前の空間が歪み鈍い頭痛が襲い始める
オルト『あ!デュースさんが揺らいでるよ!』
入口に避難し、中の様子を伺っていたユウは、あれほど喧しかった騒ぎが収まり、更にデュースに覚醒の兆しが見えたことに"よし"と呟き、腕の中で震える体を強く抱きしめた
『ぅっ..ぅぅ..』
ユウ『セベクのおかげでだいぶ静かになった。
大丈夫?少し落ち着いた?』
『..ぐすっ..ん..デュース、起きそう、なの?』
ユウ『うん、まずは一歩目って感じ。ここからもっと畳み掛けて目を醒まさせないとね』
『ん。ユウ、ありがと。もう平気だから、あっち行きたい..』
ユウ『分かった』
状況を見たそうにするレイラを抱えながら中へと戻っていく。片手で頭を押さえ顔を歪ませるデュースの姿に少しだけホッとしながら、レイラは腕から降りてグリムの背をツンと指した
『グリム』
グリム『ふなっ?レイラ、オメーいつの間に戻ってきたんだ?』
シルバー『もう大丈夫なのか?』
『ん。それより..グリム、お願い。デュースにもっと教えてあげて』
グリム『おう!オレ様も言ってやるんだゾ。任しとけ!』