第16章 *百獣コンフリクト*
『分かった』
?『...あぁ久しぶりに感じたなこの感覚は』
青年の瞳には僅かに情欲の炎が灯り揺れ、頬を滑る手も艶かしく動く。そしてその手はレイラの小さな耳へと移動し、指で形をなぞるように触れた
『んっ...ぁ...』
?『良い反応だ...さて、今はこれぐらいにしておこう。お前の後ろに恐ろしい顔をしたやつがいるからな。では、僕はこれで...』
青年はレイラから距離をとると、どこか満足したような笑みで二人に背を向け、数粒の光を残し一瞬で姿を消した
『消えちゃった...』
ユウ『廃墟マニア、なのかな?はぁ...』
後ろからレイラを抱きしめ、グリグリと項に顔を埋めて拗ねるようなため息を溢す
『ユウ怒ってる?』
ユウ『分かってるでしょ?』
『ごめん。キスしていいよ..触っても、いいよ?だから、許して。ね?』
ユウ『っ...///なにその可愛い言い方。触ると抑えられないからキスだけね。まったくもう...レイラが段々ワルい子になってる気がする』
『ワルい私は...嫌い?』
ユウ『...好き。愛してるよ...』
『良かった...』
体を反転させてお互いに向き合うと、自然と引かれるように唇を重ね、互いの感触に酔いしれた
一方サバナクロー寮・レオナの部屋は不穏な空気に包まれていた。レオナ達の目論みを盗み聞きをしていたジャックだったが、勘の鋭いレオナによってバレてしまった
レオナはディアソムニア寮に敗北したことで地に落ちたサバナクロー寮の威信を取り戻すために、他の寮の有力選手を陥れていたと話した
だが、それでもジャックはレオナ達のやり方には納得ができなかった
ジャック『だからって、あんな闇討ちみてぇな卑怯な真似をするのは、間違ってる!』
レオナ『間違ってる?ジャック...俺はな、お前達寮生の事を一番に考えてやってるんだせ?マレウスを打ち破り、今までの雪辱を果たせば世間のサバナクロー寮への評価は回復するだろう。
今年勝てなければ、マレウスは殿堂入り選手になることが決まってる。これが最後のチャンスなんだ。それをテメェは安い正義感で潰すって?お前は先輩達の未来を台無しにしたいのか?』