第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
キファジ『レオナ陛下!お言葉が過ぎますぞ。確かに陛下のお考えになった開発計画は、革新的なものばかりでした。しかし..それはあくまで机上の空論。今のこの国で再現可能なものではなかった』
レオナ『...そうだ。俺の計画自体は完璧だった。完璧だったはずの計画を台無しにしたのは誰だ?
能無しの国民どもだろうが!』
放たれた怒号が廃れた広場に響く。玉座の手摺の上でギリッと拳を握り、怒りを帯びた鋭い視線をキファジに浴びせると、乗り出した身を再び玉座へと座り直した
レオナ『能無しのくせに俺がやることなすことに文句ばかりつけやがって..』
キファジ『陛下、人間はチェスの駒とは違うのです。能力も、性格も千差万別。打ち手の思い通りに動くものではない。貴方は王としてそれを理解し、寄り添わねばならなかった』
レオナ『は?無能に寄り添う?冗談だろ。俺がやるべきことは全部やった。後はてめぇらでなんとかしろ。馬鹿の尻拭いなんて絶対に御免だね』
キファジ『全てを諦め、投げ出すとおっしゃるのですか?』
レオナ『人聞きが悪いな。俺は諦めるつもりも投げ出すつもりもないぜ。そうだな..もし俺の理想を完璧に遂行できる奴らが現れたら、その時は指揮してやってもいい。無能な奴らの相手はもうたくさんだ』
キファジ『無能、無能とおっしゃいますが..陛下がご自分以外を有能な人材と認めたことなどただの一度もないではありませんか!待っていても事態は改善しない。怠惰に横たわっていないで、行動なさいませ!』
レオナ『......』
キファジ『...ふぅ..貴方についていけず、家臣たちはみな王宮を去りました』
レオナ『はっ。古臭い空気が入れ替えられてせいせいしたぜ』
キファジ『代わりに雇われたのは、素性の知れぬごろつきどもばかり..奴らが町でどんな行いをしているか、ご存じないとは言わせませんぞ』