第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
セベク『ふん!己の矜持を守ったまでだ。僕は謝らないぞ』
アズール『それで結局ピンチに陥っていては意味がないじゃないですか....
まったく..レイラさんからもなにか言ってください。貴女の言う事なら、二人だって多少なりとも聞くでしょう?』
『.......』
アズール『レイラさん?』
こちらに目を向けることなく部屋の奥、更に別の部屋へと繋がる先を見つめたまま動かないレイラに、アズールは首を傾げながらそっと肩に手を置く
ピクリと体を震わせ振り返るその口元には指が添えられていて、その仕草にすぐさま全員口を閉ざした
『....誰か、いる。この部屋の向こう、二人くらい』
?『王よ!どうか民の声に耳をお傾けください。このままでは我が国は荒廃の一途を辿るばかり..聞いておられるのですか!?』
レイラの見つめていた部屋の奥から低い男性の声が、誰かを責め立てるように響く。先程まで感じられなかった人の気配に全員の意識が一気に集中する
ジャック『..なんだ、この声?』
ラギー『廊下の奥の方からっすね。行ってみましょう』
声の主が敵か味方も分からないため、ラギーたちは足音と息を潜めながら声のした方へと進んでいった
夕焼けの草原・玉座の間
廊下を抜けた先は周りを岩に囲まれた広間となっていた。明かり1つも付いておらず、大きく空いた天井から差し込む曇り空の奥の僅かな太陽光だけがこの場をぼんやりと照らしていた
広間の中央、巨大な動物の骨のような石造りの玉座には何者かが腰掛けており、傍らには青と白の服を身に纏い、結ばれた髪と整えられた髭がどこか鳥を彷彿とさせる老齢の男性が控えていた
?『緑豊かであった土地は枯れ、民は飢えに苦しんでおります』
?『やめろ、キファジ..お前の小言を聞いていると本当に気分が滅入る。どうしても口が閉じられないってんなら、歌でも歌ってろ。俺が楽しくなれるような、明るい歌をな』
キファジ『では、幼い頃のように"輪になる世界の歌"でも歌って差し上げましょうか?
レオナ陛下』