第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
ラギー『おやまあ、オクタヴィネル寮生は随分やわでいらっしゃる。しゃーないっすね。土地勘のあるのオレだけだし、そこの店でボトルの水かお茶を仕入れてきてやりますよ』
ジャック『ラギー先輩、俺も荷物持ちについていきます』
ラギー『お、荷物持ちがいてくれるなら屋台の安いカップのやつでも..ん?』
耳をピルルと動かしラギーはある異変に気づいた。先程から広場には風の音と車の走行音、それも1台しかいないのではと思えるほど僅かなものだけだった
ラギー『あれぇ?ここいらは王都の中でも一番人通りが多くて活気がある地区なんすけど..』
ジャック『ラギー先輩の夢で見た時よりも、なんつーか..車や人通りも少なくて静かですね』
『....鳥さんの声、全然しない。人も、ちょっとしか足音聞こえないよ』
ユウ『全体的に静かすぎる。というか、さっきの夢よりもなんか..廃れてる気がする』
『噴水の水も、あんまりきれいじゃないね』
ラギーの夢ではいたはずの小動物の声や、活気づいていたはずの人の声は殆ど聞こえず、屋台や店もシャッターで閉じられ、周りの建物もどこかヒビが目立つ。吸い込む空気もあまり良いものとは言えないものだった
どこかおかしい、そう感じ取ったラギーは唯一開いていた屋台の店主である女性を見つけ、ひとまず声をかけることにした
ラギー『あのぉー、お姉さん。ちょっといいっすか?』
?『何ですか?..ひっ!ハイエナ!?』
?『何っ、ハイエナだって!?』
声をかけてきたラギーがハイエナだと気づいた途端、店主の女性の表情は酷く怯えたものになり、悲鳴を上げたその声に、周りにいた住人たちは嫌悪を露わにして駆け寄ってきた
?『こ、ここに食べ物はもう何もないよ!帰ってくれ!』
その言葉を皮切りに店主や住人たちは次々と駆け出し、通りへと逃げていったり家に逃げ込んでいく
ジャック『ラギー先輩...』
ラギー『待ってよ。オレ何も悪いことして..ないわけじゃないけど、少なくともあんなに怯えられるようなことはマジでしてねぇっす!』
現実のこの場で何か過去にしたんじゃないかと疑りの視線を向けられ必死に弁解するも、辺りには人っ子1人いなくなってしまった