第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
通常よりも大きなドーナツを一口で収めたセベクに驚きながらも、美味しそうに食べる姿に笑みが溢れる。傍らで既に食べているグリムの食べっぷりにも満足そうに頷いていると、黒い耳がぴょこぴょこと視界の端で揺れていることに気づく
ラギー『えっと、レイラちゃん?どうしたんすか?あっ、もしかしてトッピング別のがいい?』
『ん。カスタードと生クリームだけのがいい』
ラギー『りょーかい、ちょっと待ってて。今、作ってあげるっすよ』
そう言って再びドーナツを皿に乗せ、要望通りのトッピングを施していき、待ち侘びた様子で待つレイラの手にそっと手渡した
ラギー『はい、お待ちどうさま』
『ありがと。いただきます....むぐ..』
ラギー『(こっちはこっちで一口ちっさぁ〜..かぁわいい♪)お味はどうっすか?』
大きなドーナツに齧り付く小さすぎる一口にキュンと内心悶えながら問いかけると、むぐむぐ無表情で咀嚼していた表情が一瞬でパアッと輝いた
『〜〜〜♪んふふ、おいしぃ』
ラギー『(うぁぁああ..可愛すぎでしょ)
お気に召していただけて光栄っすよ、お姫様』
『!!...ん』
懐かしい呼び方にピクリと反応するが、すぐに平静を装い静かに笑う。
ラギー『君はこの中で一番細っこくてちっちゃくって..いつか倒れるんじゃないかって見てて心配になるんすよ。だから、ここにいる間だけでも、たーくさん食べていって』
『ん。甘いものならいっぱい入る』
ラギー『しししっ!その意気っすよ』
アズール『ひっ..なんて恐ろしい!チョコやクリームを山盛りに盛ったドーナツなんて。あれ1つで、一体どれだけのカロリーになるんだ!?』
オルト『ここはの夢の中だから、現実での接種カロリーは実質ゼロだよ』
アズール『失礼します、ラギーさん。そのドーナツ、僕も1ついただいても?』
イデア『変わり身早すぎ、草』
カロリーにならないと聞いてすぐさま食いつくアズールの横で、同じくドーナツを貰いに来た生徒たちは、店主の女性におまけをもらい嬉しそうに顔をほころばせていた
?『ハイエナはみんな大飯食らいだからねぇ!しししっ!この学校を作ってくれたレオナ王子によーく感謝するんだよ』