第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
セベク『ラギー先輩は随分と地元の住人に愛されているのだな』
ジャック『..そうみてぇだな。急ぐぞ、人が多くて見失いそうだ』
アズール『すみません、通ります!くっ、なかなか前に進めない。ラギーさんはあんなにスルスルと人込みを避けて走っていくというのに..!』
大勢の客でごった返す通りの中を、僅かな隙間を見つけ走っていく姿はあっという間に小さくなっていく。アズールたちも見失わないように、なんとか後を追いかけて進んでいった
夕焼けの草原・アイボリークリフアカデミー
一度見失いかけたその姿を追っていくと、やがてひときわ大きな建物と門が見え始め、ラギーはその中へと駆け込んでいった
『学校..?』
ユウ『みたいだね』
急いで後に続いて中に入ると、レイラの予想通り、そこにはラギーと同じ制服を纏った生徒たちが何人も歩いており、談笑しながら校舎のある奥へと向かっていた
見渡せば周りを取り囲むようにいくつも木々が生い茂り、山程生っている色とりどりのフルーツが、優しい甘い香りを放っていた
?『おはよう、ラギー。随分と大荷物だね?』
ラギー『はよーっす!近道のためにレインツリー・マーケットを通ってきたら、おばちゃんたちに色々もらっちゃって』
?『おっ、いい匂い!さてはバナナ蒸しを持ってるな?』
ラギー『食べる?たくさんもらったんすよね』
?『やりぃ!そういや今日の1限目の実践魔法の小テスト、勉強してきたか?』
『やっぱりここ、学校なんだ』
シルバー『生徒たちの耳と尻尾..大半が獣人族のようだな』
ジャック『しかも、かなりハイエナ属が目につく。見えてるだけでも、半分以上がハイエナじゃねぇか..?』
オルト『現実世界では、この場所に学校は存在していない。ラギーさんのイマジネーションで作り上げられた場所みたいだね』