第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
ため息を深くついて、ズレた眼鏡を指で押し上げる。一方、2回目のとんでも発言にジャックたちはポカンと固まり、一瞬背後に宇宙を背負った
ジャック『お前、俺以外ともペアになりたいのか?』
『?ん。大好きなみんなとずっと仲良く一緒にいたい。ここにいるみんなとも、そうなれたらいいな』
ジャック『.....そう、かよ』
『ジャック、怒ってるの?ごめん。私、また変なこと言っちゃった..のかな?』
あれだけ激しく振っていたのに、すっかり下がってしまった尻尾を見て慌てて謝る。ジャックはぐるぐる回る複雑な感情に眉間に皺を寄せ、僅かな怒りに文句の1つでもと口を開こうとしたが、泣きそうな顔で見上げてくるレイラにその気持ちはすぐに鳴りを潜めた
ジャック『んな泣きそうな顔すんな。怒ってるわけじゃねぇ..ちょっと驚いただけだ』
『でも..』
ジャック『マレウス先輩を止めてこの件が片付いたら、もう一回今の話をさせろ。今度は..俺たち二人だけで』
『ん、分かった』
アズール『やれやれ、一時はどうなるかと思いましたが、レイラさんがああいう人だと思い出せて良かった。彼女の"好き"は1人には留まらないかなり広いものですから』
オルト『なるほど..これまでの旅における言動をを元に解析すると、レイラさんは友愛と恋愛の境界線が混ざり合ってるみたいだね』
イデア『だから"好きな人"は複数いてみんな平等に愛想振りまいてるってわけね。乙女ゲームもびっくりの天然ヒロイン属性じゃん。そんなやつリアルでもいるもんなんですな。とんだ人誑しじゃん』
セベク『な、なんて気の多いやつだ』
シルバー『だがあいつは純粋に仲間を想い、そのために全力で行動できる優しい人間だ。悪意のない善良なあいつと関われば、俺たちも含め周りも彼女に惹かれてしまうのも無理はないだろ』
ユウ『......はっ!3分くらい息してなかったかも。あれからどうなった!?』
アズール『本当だったらそこそこ凄いですよ。結果については、いつもの"みんな大好き"論で事が収まりましたよ』
ユウ『そ、そうですか。あ〜〜〜〜良かったぁ..』