第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*
ジャック『〜〜〜っ///』
ふわりとした愛らしい笑みに全身の毛が逆立つような感覚に襲われ、同時にこの国の気温に負けないくらいの熱が顔に集まっていく。告白ともとれる言葉に爆発しそうな程に嬉しい気持ちが溢れ、大きな尻尾はギュルンギュルンと回り始める
ジャック『そ、そうかよ..』
『ジャックは?私と、ペアになってくれる?』
ジャック『!!お、俺は.....俺は...』
鼓動がドクドクと周りにも聞こえるのではと思うくらいに激しく高鳴る。目の前の存在をどう思っているかなんてとっくに分かりきっているはずなのに、周りに人がいるせいか、状況が状況なせいか、はたまた己の覚悟が足りないせいか、思うように言葉が出ず喉の奥で詰まってしまう
それでもレイラは急かすことなく、ただ彼の目をまっすぐに見つめ返事を待っていた
ジャック『レイラ..』
『ん?』
ジャック『俺は、お前と....』
アズール『お待ち下さい!!』
『『!!』』
目の前の甘い雰囲気に、ついに我慢できなくなったのか、アズールは険しい顔つきでズンズン近づいてくると、二人の間に割って入った
アズール『良い雰囲気なところ不躾で申し訳ないですが..それはそれ、これはこれ。もう我慢できません』
ジャック『な、なんだいきなり』
アズール『レイラさん。貴女、番や結婚の意味をちゃんと理解してますか?』
『ん?さっき言ってた、ずっと一緒にいること..だよね?』
アズール『ええ。かなり詳細を省いて平たく言えばそうです。
では貴女がそうなりたいのは、ジャックさん"だけ"ですか?』
ジャック『は?なに言って..』
アズール『ジャックさんは黙っててください!どうなんですか、レイラさん?』
その問いに目をパチパチさせると、レイラは悩むことなく首を横に振った
『ううん。ジャックだけじゃなくて、みんなともそうなりたい』
『『『『え?』』』』
ジャック『は?』
アズール『..そんなことだろうと思いました。
..はあ、良かった』