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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第101章 *奮起シーフ(ラギーの夢)*





ふと一番目についた噴水の中央に建つ金の像は、猿が小さな仔ライオンを太陽に向かって掲げ、周りには様々な動物の形をした銀の像が、まるで王を崇めるように深く頭を下げていた


『..あれ、猫さんじゃなくてライオンさんだよ』


シルバー『そうなのか?』


『多分、ライオンの王子様..だっけ?』


ジャック『おう。ライオンの王子の誕生を、ヒヒが国民に知らせているシーンだな。子供向けの伝記なんかにもよく登場するシーンだ』


アズール『獣人族は動物を祖先とするらしいですが、太古の昔からライオンは王者としてサバンナに君臨していたのですね』


ジャック『今では世界中で暮らしてる獣人族だが、全ての獣人族のルーツはこの夕焼けの草原だと言われてる。俺の遠い遠い祖先も夕焼けの草原から輝石の国へ渡り、徐々に北上して北国に定住したらしい』


ユウ『てことは、レイラのご先祖様もこの国の出身だったのかもね』


『そう、かも..?』


アズール『レイラさんは兎の獣人。その可能性は十分にありますね』


『でもここ暑くてカラカラするから、ちょっと苦手かも』


ジャック『兎はサバンナには殆ど生息してないからな。大体が気候が温暖な山か野原だろ』


『ん。あったかいところは好き』




グリム『ほーん。じゃあここで頭下げてる狼の像は、オメーのご先祖様なんじゃねえか?』


ジャック『この像は狼じゃなくてジャッカルだ。毛並みも鼻も全然違うじゃねか。よく見ろ!』


そう言われてよく見るが、大まかにしか狼の姿を覚えていないグリムにはその違いが分からず、ただ首を傾げるだけで、ジャックは呆れて軽くため息をついた


ジャック『夕焼けの草原では狼よりジャッカルの方が圧倒的に数が多い。奴らは暑さに強くて、サバンナや砂漠に適した体をしてるからな。

でも..姿は全然似てないが、ジャッカルと狼は似ているところもあるんだぜ。オスとメスは1度番(ペア)になると、一生添い遂げると言われてるんだ』




『ジャック。ペアってなぁに?』



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