第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
『〜♪…ぇ、わ、わわっ..!!』
抱きしめられたのも束の間、ひょいと逞しい腕に軽々抱き上げられ、慌ててジャックの肩にしがみつくと、目の前のイエローゴールドの瞳が意地悪そうに細められていた
『えと、ギュってしてくれるだけでいいんだけど..』
ジャック『別にいいだろ』
『いい、けど..重くない?』
ジャック『寧ろ軽すぎだ。もっと食べねぇといつかぶっ倒れるぞ。見てていつもハラハラすんだよ』
鍛えられたジャックにとってレイラの小さな体はあまりにも軽く、筋トレにもならないなとぼんやりと思いながら、潰さないように優しい力加減で抱く力を強めた
『ジャック』
ジャック『なんだよ』
『会いたかった』
ジャック『!.....俺もだ』
肩に掴まっていた手が首に回り、ふわりと頭が包まれる。頬に当たる柔らかい感触が心地よく、鼻孔を擽る匂いに心が静かに昂っていく
顔を上げると、慈しむような深紅の瞳が甘い色を乗せながら見下ろしていた。随分長い間離れていたような感覚が今になって湧き上がり、久しぶりに触れた愛おしい相手の温もりを刻みつけるように、深く顔を埋めると胸いっぱいにレイラの匂いを吸い込んだ
ジャック『(さっきまでざわついてた気分が、こいつの笑った顔を見てると不思議と落ち着いてくる。やっぱこいつ、すげぇな...)』
『(ジャックの尻尾、すごくブンブン揺れてる。可愛い..)』
ご機嫌に揺れる大きな尻尾にクスクス笑いながら、ふわふわとした手触りの良い銀髪を優しく撫でつけた
ジャック『さっきはその..悪かった』
『んふふ。いいよ、許してあげる』
ユウ『羨ましすぎなんで邪魔していいですか?』
アズール『奇遇ですね。僕も全く同じことを考えていました』
ユウ『先輩だってちょくちょくラウンジに呼び出して嗅いでるじゃないですか』
アズール『そういう貴方はほぼ毎日でしょう?』
『『..........』』
オルト『ちょっとちょっと、二人とも。こんなところで喧嘩しないで。仲良しなのは凄く良い事じゃない』