第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
いつものごとく、イデア作の現在状況と対マレウスについてのまとめ動画を見せると、信じられないことが起きている現状に酷く驚いた様子で髪をぐしゃっと握った
ジャック『俺たちが、マレウス先輩の作り出した魔法領域に囚われている?マジかよ』
オルト『うん。そして囚えた人々にとって幸せな夢を維持するために、夢の中では辛い記憶や不快な出来事を徹底的に排除しているんだ』
ジャック『..そうか。だからあの偽物の先輩たちはあんなことを..くそっ!俺としたことが、ずっと自分に都合いい夢に浸ってたなんて。情けないったらねぇぜ』
『そんなことないよ』
ジャック『レイラ..』
『今までの人たちもみんなそうだった。それに、おいでって言われても着いて行かなかったでしょ。ジャックは強い人だよ』
ジャック『そうか。わりぃ..ありがとな』
『だから......ん!』
ジャック『ーーーは?』
『ん!ギュってして!』
ジャック『はぁ!?な、なんでそうなんだよ』
『やっと会えて嬉しいからギュってしてほしいの。いいでしょ?』
ジャック『良いわけねぇだろ!なんでそんなこと..それに、あいつらも見てるところで..』
レイラの奥でなんとも言えない表情で見つめてくるシルバーたちの視線にたじろぎ、普段から人前で触れられることをあまり良しとしないジャックは、なおさらその願いを拒んだ
そんな彼にむぅ、と片頬を膨らませると、立っていた耳を垂らしながらその表情を曇らせていく
『.....さっきのすごく悲しかった』
ジャック『え?』
『偽物だって思われて、いきなり魔法飛んできてすごく悲しかったし怖かった。びっくりしてお尻も打った』
ジャック『それは..』
『それでもようやく会えて嬉しくて、ギュってしてほしかったんだけど...やなら、いい』
ジャック『ーーーっ...分かった。分かったからそんな顔すんじゃねぇ。ほら、こっちに来いよ。
ったく、どことなくやり口がレオナ先輩みたいだ。変なところで似てきやがって..』
どんよりとしたオーラを纏いあからさまに落ち込んだ姿を見せると、さすがのジャックも良心の呵責(?)に耐えきれず、胸に残る恥ずかしさをそのままにレイラをその腕に抱き込んだ