第16章 *百獣コンフリクト*
ジャック『いきなり何なんだ、テメェら。この俺を守る、だと?』
デュース『実は最近学園内でマジカルシフト大会の選手候補が怪我をさせられる事件が多発しているんだ』
エース『で、オレたちはその犯人を探してるんだけど』
ジャック『それと俺に何の関係が?』
ケイト『単刀直入に言うと、次に狙われそうな選手候補をマークして犯人が現れるのを待とうって作戦デス。どお?ちょっとオレたちに協力してくんないかな?』
ジャック『....断る。俺は一人でなんとか出来るし、お前らに守ってもらう必要はねぇ』
『ジャック...一人はダメ。怪我するかもしれない』
ジャック『...いらねぇって言ってんだろ。それに...俺が狙われることは、多分...ない。じゃあな』
軽くレイラの頭にポンッと手で叩くと、歯切れの悪い発言と共にジャックはサバナクロー寮へと帰っていった
グリム『なんかぶっきらぼうで感じ悪いやつだったんだゾ』
エース『あの話の振り方じゃ、誰でもムッとするだろ』
ジャックの対応に不満をもらすエース達、一方でレイラは先程のジャックの発言が疑問として残り、頭から離れないでいた
『ジャック..どうして自分が狙われないって言ったんだろ...?』
ユウ『あの見た目と態度だから怖くて狙われないって意味じゃないのかな?』
『そう...なのかな...』
サバナ寮生A『おい、お前らそこで何してんだよ』
サバナ寮生B『ハーツラビュル寮のやつらじゃん』
サバナ寮生C『へへへ!赤いお坊ちゃまのとりまきかぁ~!』
ジャックの去っていったサバナクロー寮から、三人組のサバナクロー寮生が現れ、寮前でたむろしていたユウ達に気づくとドカドカと足音を立てて近づいてきた
サバナ寮生A『俺達の縄張りにズカズカ踏み込んできて、無事に帰れると思ってねぇだろうなぁ』
デュース『うっ、このパターンは...』
『ゃ...怖い...』
ユウ『僕の後ろにおいで』
寮生の不良じみた態度に恐怖を覚え身を縮こませると、そんな彼女をユウは自身の背中へと隠した
エース『あ、もう帰るんで!お邪魔しました~』
エースは持ち前の人の良い笑みを張り付け、そそくさと退散しようとしたが行く手を阻むようにサバナ寮生が立ち塞がる