第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
ジャック『お、俺は..?』
レオナ?『どこも怪我はないみてぇだな....ったく、無茶しやがって。本番前に大怪我なんざ、笑い話にもならねぇぞ』
ラギー?『気をつけてくださいよ。ジャック君はウチの寮の期待のルーキー..オレらの宝なんすから!』
レオナ?『憎きマレウスを打ち倒し、俺たちが玉座を取り戻すためには..チーム全員が最高の状態で大会当日を迎えなきゃならねぇ。熱くなりすぎだジャック。ベンチに下がって少し頭を冷やせ』
ジャック『......は、はは..ははっ!』
『『えっ』』
ジャック『あははははははっ!』
心配そうに見下ろしてくる二人をジッと見つめていたジャックは、突然箍が外れたように大声で笑い始める
あまりの突拍子のない笑いに、レオナたちはギョッとして無意識に耳を折り伏せると、先程の落下の際に頭を変に打ったのではと不安を口にした
だが、ジャックは頭を打ったわけでも気が動転してしまったわけではなかった。オルトとの対決を経て、彼は思い出したのだ
マジフト大会のあの日、ユウやハーツラビュルの面々の協力してレオナたちへ反逆。オーバーブロットの激しい戦いを経て、最後には真の意味で憧れた相手とマジフトを共にできた喜びが、彼を夢からの覚醒を促した
ジャック『チーム全員が最高の状態で当日を迎える?
そのセリフ..現実で聞きたかったぜ。
でも、現実のあんたたちは違ったんだ。あんたたちは他寮の選手候補たちに怪我をさせたばかりか..大会当日、観客を使ってディアソニアをめちゃくちゃにしようとしてやがった』
足に力を入れて立ち上がり二人と対峙するように向き合うと、光を取り戻した鋭い瞳が闇レオナたちを睨みつけ、ギリッと強く握られた拳が音を立てる
ジャック『俺は..テレビで見たナイトレイブンカレッジの寮対抗マジフト大会..サバナクローのプレイに夢中になった。統率された獣の群れみてぇに、獲物を追い込む隙のないフォーメーション。派手な魔法だけじゃねぇ、選手の個性を生かしたプレー..!録画した映像を、何度も繰り返し見た。
憧れてたんだ..ずっと!』