第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
アズール『え..あれを見ていたんですか..?』
オルト『うん、監視カメラでね。でも結果として僕たちは負けちゃったでしょ?それで考えたんだ。僕たちとヴィルさんたちの勝敗を分けたのは..円陣だったんじゃないかって』
ユウ『絶対違うでしょ』
イデア『せ、拙者も絶対にそれが原因じゃないと思う』
オルト『なーんて、本当はせっかくだからやってみたかっただけ☆えへっ』
『..可愛い』
レオナ?『無意味なゲン担ぎは終わったのか?それじゃあさっさと始めようぜ。日が暮れちまう』
ラギー?『あのディアソムニアの1年、ジャック君に負けず劣らず体格がいいっすねぇ』
ジャック『ふん。どんなプレイをするのか見てやろうじゃねぇか..』
アズール『では、サバナクローの皆さん。どうぞお手柔らかにお願いいたします』
ユウ『じゃあ、レイラは向こうで座って待っててね』
『ん。みんな、気をつけてね』
ほんの少しの不安を胸に残しながら、言われた通りフィールドの端に向かい、観戦用のベンチに腰掛け試合を見守ることにした
ジャックを目醒めさせるため、即興チームによる試合がスタートすると、魔力のないユウとホログラムのイデアは三角コーンに徹し、残りの面々でサバナクロー陣営に切り込んでいく
魔力の優れたアズールを中心に、サイドで体力のあるシルバー・セベクが合わせてディスクを回し、サバナクローから先制点を決めることができた
しかし、それを期にサバナクローは反撃の狼煙を上げフォーメーションを変化させる。こちらが即興チームゆえに連携があやふやな反面、サバナクロー寮はまさに1つの群れのように統率のとれた動きでこちらを圧倒していた
アズール『ぜぇ、ぜぇっ..さすがはサバナクロー。隙がない!』
シルバー『アズール、汗がすごいぞ。今にも倒れそうだ。タイムアウトを取らせてくれ!セベク、水を!』
ポタポタと落ちる滝のような汗がフィールドの地面にいくつもの点を作っていく。ただでさえ運動を苦手とするアズールは、前線で激しく動き回っていたせいで早くもバテ始め、シルバーの手を借りてフィールド横に出るとすぐに座り込んでしまった