第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
『ユウ、落ち着いて』
ユウ『う"ーーー....はぁ。
大丈夫?嫌な気分になったでしょ。後であの陰キャはボコボコにしとくからね』
『しなくていいよ、ありがと。それよりギュッてしてほしい』
ユウ『する』
『『うわっ!』』
キリッと顔を引き締め二人の拘束を勢いよく振り払うと、優しくレイラを抱きしめた。すぐさまグリグリと肩口に額を擦り寄せてくる仕草を愛おしく思いながら、そっと旋毛にキスを落とすと、背中に回った手が少し強まった
グリム『にしても、オルト。おめー本当に大丈夫なのか?作戦会議の時に言ってたけど、マジフト1回もやったことねぇんだろ?』
オルト『うん。でもマジフトのプロリーグ選手の生体データはインストールしたよ。きっと彼は僕を追いかけてきてくれると思う』
シルバー『今回の作戦はお前にかかっている。頼んだぞ、オルト』
オルト『ふふっ、任せてよ!それじゃあ試合前に..ちょっと憧れてた"あれ"、やっていい?』
『『『あれ?』』』
ユウ『えー..ごほん!せーの』
『『チーム・オンボロ〜!ファイッ!!』』
『『『おーーー!!!』』』
オルトがしたかった"あれ"とは、全員で輪になり声を上げる円陣だった。嘆きの島の一件でもやったように、ユウとレイラによる号令で一斉に気合の入った声がコロシアムに響き渡る
ノリノリのシルバー・セベク・オルト。恥ずかしそうなイデアとアズール。そして、円陣自体を知らないグリムは、されるがままに肩を組み声を出したものの、何がなんだか分からないといった様子で首を傾げた
グリム『みんなで肩組んで円になって大声出して..なんなんだゾ、これ?』
オルト『これは円陣だよ、グリムさん』
グリム『ふなっ!これがルークが言ってた円陣か!で、これに何の意味があるんだ?』
オルト『インターネットの情報によると、一体感が生まれてチームの結束が高まったり..集中力の向上や、緊張感の緩和に効果があるらしいよ』
グリム『ほぉ〜ん。でも、何も変わった気はしねぇんだゾ』
オルト『僕も嘆きの島でヴィルさんたちが円陣を組んでるのを見た時は、ヒトって奇怪な行動をするな〜って思ってたんだ』