第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
ラギー?『レオナさん。あんな奴らと戦ったってなんの得にもなんないっすよ』
レオナ?『かもな。オンボロ寮の草食動物に至っては魔法も使えねぇってんだから。コートに置かれた三角コーンみたいなもんだ。だが、アズールとイデアは仮にも寮長..そして、あの銀髪とツンツン頭はマレウスの取り巻きだ。たとえ小さいネズミでも、少しでも腹に溜まりゃあ儲けもんだろう』
ジャック『レオナ先輩..流石です。どんな相手からでも、必ず学びはあるってことっすね!』
ラギー?『じゃあ、あのウサギのお姫様はどうするんすか?』
レオナ?『ああ、あのちっこい兎か。あいつの能力は未知数だ。だが、草食動物たちの様子を見てる限り、試合には参加してこねぇだろ。
いや、"させてくれない"が正しいか』
イデア『流石はアズール氏。ペラッペラな嘘言うじゃん..』
シルバー『アズールの話術がなければ、門前払いだったかもしれないな』
アズール『ふっ、交渉ごとならこの僕にお任せください。
どうですか、レイラさん?貴女のご期待に十分添えたと思うのですが..』
『ん、ありがと。さすがアズさん』
アズール『ありがとうございます』
シルバー『そういえば、アズールが話し始める前にレイラが何か合図を出したように見えたが、あれは一体..』
アズール『ああ、袖を引いたあれですか。事前に決めていたとかそういうものではなかったのですが、交渉してほしいというレイラさんからの合図だと思ったので、その通りに動いただけです』
『正解。よく分かったね』
アズール『それなりに付き合いはありますからね。日々、貴女の考えが分かるようになってきました』
イデア『え。じゃあ、さっきのってヒロイン氏の作戦..ていうか命令だったってこと?』
アズール『命令だなんてそんな乱暴な。あくまで彼女からの"お願い"ですよ。ねえ?』
『ん。この中で一番お話が上手で、試合に出してくれるように言ってくれるのはアズさんだなって思って』