第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
コロシアムに入ると、奥からジャックだけでなく何人もの声が響いてきた。怒声でも罵声でもない、なにかに白熱しているような熱のこもった声に、ヒュンヒュンとなにかが飛び交う風切り音がひっきりなしに届く
暗い通路から陽光降り注ぐフィールドが見える観客席に出ると、フィールドには陸上ではなくマジフトが行われていた。ディスクと指示の声が激しく飛び交う中、そこにはジャックの姿もあり、ミニゲームの中に参加していた
サバナ寮生『バックス!下がれ!食い止めろ!』
サバナ寮生『フォワード反応遅いぞ!サポート!!』
シルバー『どうやら、マジフト部が練習をしているようだな。もしや、転部している夢..?』
アズール『いえ、彼らをよく見てください。運動着が全員サバナクローのものだ。そして今の季節は秋。ということは、おそらく..』
?『サバナクロー、全員集合!』
『『『うっす!!』』』
聞き慣れた声とジャックたちが集まっていく先に目をやると、そこにはレオナと彼の横に侍るラギーの姿があった
『レオさん?ラギさん?.....違う』
レオナ?『ちんたらすんじゃねぇ!来週に迫った寮対抗マジフト大会..本番の舞台であるコロシアムで練習できる回数は限られてる。1分1秒無駄にするな!』
『『『うっす!!!』』』
ラギー?『レオナさん。ここに立つと嫌でも思い出しちまいますねぇ..去年のマジフト大会のこと』
レオナ?『ああ..俺たちサバナクローは、マレウス率いるディアソニアに初戦で敗退。あの日の悔しさは忘れられない。だが..今の俺たちは、あの時とは違う。1年かけて牙を研ぎ..ついに竜の首に飛びかかる準備はできた。そうだろう?』
レオナ?の言葉にジャックたちは士気があがり、やる気に満ち溢れた雄叫びがフィールドに響く
レオナ?『これは一生に一度のチャンスだ。世界をひっくり返すためのな。奴らを出し抜くために磨き上げたテクニック!何度ディスクを奪われようと食いついていくパワー!獲物を確実に追い詰めるためのチームワーク!そして..胸に燃えるハート!
見せてやろうぜ、俺たちサバナクローの不屈の精神を!』