第100章 *飛翔インプレッション(ジャックの夢)*
『この声..』
聞き慣れた声に耳をピンと立て振り返ると、学園の校舎からタッタッタと石畳と落ち葉を踏みしめ駆けてくる足音と大柄な人影がこちらへと近づいてきた
それは銀のフワフワとした髪と狼の耳をピンと立て、大きな尻尾を振りながら、急いだ様子で鞄を抱えるジャックの姿だった。そんな彼の頭上には光る小鳥がこの夢の主である証拠としてクルクルと飛び回っていた
ジャック『おいあんたら、横に広がって道を塞いでんじゃねぇ、邪魔だ!』
『『『『!!!』』』』
突然現れたジャックに気圧され、思わずザッと道を空けるように飛び退いた。その間を風のように駆け抜けていったジャックは、真っ直ぐにコロシアムの方へとあっという間にその姿を小さくさせて行ってしまった
『ジャック..!』
ユウ『小鳥付きってことは...』
アズール『何ですか?ジャックさんの周りに飛んでいた、白く光る鳥は』
シルバー『あいつがこの夢の主だという目印だ。すぐに追いかけよう!』
ナイトレイブンカレッジ・コロシアム
セベク『ジャックはコロシアムに入っていったようだ。部活動かもしれないな』
『ん?でもジャックがいつもいるのって、グラウンドだよ?』
オルト『うん。彼の所属は主にグラウンドを利用している陸上部のはずだけど..今日は場所を変えて特別な練習でもするつもりなのかな?』
グリム『あいつ、たまに昼飯を一緒に食う時は、デュースと"もっと早く走りてぇ"とか"今はなんとか筋を鍛えてる"って話ばっかしてるし..めちゃくちゃ足が速くなってる夢だったりして、にゃははっ!』
オルト『後を追ってみよう』